「KAMUY LUMINA(カムイルミナ)」は北海道の阿寒湖畔で行われる体験型ナイトウォークアトラクション。
光と音のデジタルアートやプロジェクション・マッピングの演出の中、阿寒湖畔の夜の森を歩く、日本では数少ないアドベンチャーツーリズムのコンテンツとして、国立公園では初めて行われる、ということで大いに期待して行ってみました!
「カムイルミナ」とは?
「カムイルミナ」は2019年7月から始まった、阿寒湖畔の夜の森でアイヌ文化を体感するナイトアクティビティで、カナダのデジタルアート集団「MOMENT FACTORY」社が世界中で展開する「ルミナ ナイトウォーク」シリーズのひとつ。
「ルミナ ナイトウォーク」は、その土地がもつ固有の文化や自然にインスピレーションを受け、幻想的な光と音、演出、映像、インタラクティブな仕掛けを通じ、言語を超えて人々の心を動かす体験型ナイトウォークなのだそうです。
「ルミナ」はラテン語で「光」、「カムイ」はアイヌ語で「神」。直訳すると「神の光」という意味。
阿寒湖といえばアイヌ文化が今もなお残る場所なので、まさに「その土地固有の文化」としてアイヌの古い物語がベースとなって創られているんですね。
そのプロモーションVTRがけっこうカッコいいのでまずはご覧ください。
正直、そんなにハードル上げていいのか?という気がしないでもないですが、確かに夜の森の散策は楽しそう。期待できますね!
阿寒湖温泉全体が「カムイルミナ」推し
カムイルミナ開催期間中に阿寒湖温泉を歩いていると、至るところでこんな感じのスタンドを見かけます。
それもそのはず、このカムイルミナは、阿寒湖温泉旅館出資組合や阿寒観光協会まちづくり推進機構が立ち上げた「阿寒アドベンチャーツーリズム」という会社が運営しているため、阿寒湖温泉の主なホテルでチケットを買うことができます。
特にアツいのが、阿寒湖を発祥として、今や北海道を代表するラグジュアリリゾートホテルチェーンとなった「鶴雅グループ」。阿寒湖にも6つのホテル・宿泊施設があります。
そんなわけで僕が泊まったのは、鶴雅グループの中核ホテル「あかん遊久の里 鶴雅」。
ここに泊まるのは2回目ですが、客室もお風呂も素晴らしく、非常に人気の高い旅館です。
鶴雅グループに泊まると、なんとカムイルミナの会場まで送迎バスまでありました。気合いすごい。
カムイルミナの会場は、阿寒湖観光汽船の「まりもの里桟橋」横が入口。
受付を済ませるとアイヌの杖をモチーフにした「リズムスティック」と呼ばれる謎の棒をひとり1本渡されます。
このリズムスティックというのがカムイルミナナイトウォークの羅針盤のようなもので、道を照らしたり、進めとか止まれとか指示したり、今ここでハグして告白しろ、とか命令するのです。しないか。
いざ、夜の森の中へ
カムイルミナは、阿寒湖畔に沿った小高い台地の真っ暗な森1.2kmを50分ほどかけて歩きます。
同行して案内するガイドはいないのですが、予約したスタート時間ごとに中に案内されるので、団体行動ではないけど、結果的に10人から15人くらいのグループで固まって森の中を冒険する形になります。
森の中に入ると、けっこうな暗闇の中を、リズムスティックの明かりだけで歩いたりするので、なかなかアドベンチャーな雰囲気ではあります。
カムイルミナは、動物を敬わなくなった人間たちに反発し、動物が森から消えてしまったことにより飢え苦しんでいる人間界を救うため、村の守り神であるフクロウと小鳥のカケスが活躍するという、阿寒湖に伝わるアイヌ伝説がモチーフとなっています。
カムイ(神)の世界への使者としてフクロウから動物たちへのメッセージを託されたカケスとともに、参加者は夜の森を歩きながら、光と音、プロジェクションマッピングで幻想的に再現されたカムイの世界へと向かうのです。
ところが、このカケスが美声のわりにリズム感がダメダメで、森の動物たちがどんどん逃げて行ってしまうのです。それをみたフクロウがカケスをフォローするために、リズムスティックを持った僕たちに
リズムを刻むのじゃ!
とか命令してくるのです。
そういうことか、リズムスティック!ただ重いだけじゃなかった!
(歩くときに杖がわりにはなるのですが、意外と重いのです)
謎の設定だけど、なんか楽しい!
同じ杖を持つと使命感みたいなのが芽生えてくるのでしょうか?みんなが音に合わせてリズムを刻みます。
そのあと、自然への敬意をないがしろにしている人間が、カムイにめっちゃ怒られるシーンがあったりするのですが、最後はついに動物たちが森に帰り、再び人間との共生が始まる、というところで the End。
写真ではよくわからないので、動画にちょっとまとめてみました。
映像は森の中とは思えないほどきれいだし、暗闇の中をスティックもって歩くのはムダに面白いんだけど、なんというかもうちょっとサプライズがあってもよかったかな、というのが感想ですね。
酸いも甘いも含めて刺激に満ち満ちた人生を送ってきたナイスミドルだと、物語が予定調和的すぎる感はあります。
カップルで来てたら、女子が(あるいは男子が)「きゃ」とか言いながらパートナーに抱きついてくるくらいのサプライズは欲しかったな。「アドベンチャーツーリズム」を標榜しているわけですから。
気になって、そのあとカムイルミナの評判をググってみたら、意外にもめっちゃいい評価が多かったので、僕の目が肥えすぎているのでしょうか?
まあ、ゆるく楽しみたいカップルとか、家族連れにはいいのかもしれませんね。
<2019年9月訪問ほか> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
阿寒湖 カムイルミナへの旅
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