北海道・帯広のソウルフード「インデアンカレー」。帯広市民が「カレー」といったら、98%はこの「インデアンカレー」のことだと言われています(風祭帯広文化研究所調べ)。
僕も毎年のように帯広に行っていますが、実は豚丼よりもこの「インデアンカレー」喫食率のほうが高いというデータがあります。
けっして高級なものでもなく、珍しいものでもないのですが、なんというか、毎年一度は食べないと気が済まないような、クセになる味なんですよね。
インデアンカレーとは?
インデアンカレーは帯広を中心に十勝・釧路地方に店舗を持つカレー専門店。
「インデアン?」と問われて「カレー」と答えない帯広市民はいない、と言われています。
1968年の創業で、コンセプトは「帯広で2番目に美味しい店」。これはインデアンカレーを経営する帯広の老舗レストラン「ふじもり」のコンセプトと同じで、「一番は妻と母の料理」だからだそうです。
そのコンセプトの通り、帯広市民には絶大な人気があって、家から鍋を持参してお店にやってきて、家族分のカレーをテイクアウトするのは日常茶飯事、イベントや催事があるときは大きな鍋で持ち帰り、それをみんなで食べたりするんだそうです(もはや妻や母の料理を越えてる説あります)。
人気の秘密は、安くて、早くて、うまいこと。
お母さんが作った2日目のカレーのようなコクととろみがあって、甘いような辛いような、家庭では絶対に出せない絶妙な味なのです。
今は値上がりしてしまいましたが、それでも基本のインデアンカレーは480円(税込528円)。少し前までは420円くらいで食べられる、手軽なおやつくらいの値段だったのです。
帯広市内には手軽に行ける場所にも何店舗かあるので、僕はだいたい毎年1回はこのカレーを食べています。
一番メジャーな「インデアンまちなか店」
観光客にとっても市民にとっても一番行きやすくてなじみがあるお店が「インデアンまちなか店」。
ここは名前のとおり帯広市街の中心部にあって、帯広駅から徒歩5分くらい、六花亭本店や駅前のホテルからも近い便利な場所にあります。
便利な場所にあるため、店内は活気があって、観光客も市民もみんな幸せそうにカレーを食べています。
インデアンカレーのメニューはもちろんカレー一択+トッピング。
ただしカレーのルーは3種類あるので注意が必要です。
もちろん最初にインデアンに来たら「インデアンルー」を食べてほしいのですが、「エビ」「カツ」「チキン」「シーフード」といったメニューによっては「ベーシックルー」で出てきてしまうのです。
インデアンルー食べたかったのにエビカレー頼んだらインデアンルーじゃなかった!
そういうときはインデアンカレーを頼んで、その上に好きなものをトッピングしないと!
ということなので注意してくださいね。各メニューにはどのルーを使っているか書いてあります。
いろんなメニューがありますが、シンプルなインデアンカレーだけでも十分おいしいです。辛さも普通から極辛なでの5段階、大盛もできますので、アレンジすればこれだけでも満足できると思います。
店内に謎のマリリンとかいるけど、これなんですか?
それは先代の社長が1968 年に第一号店をオープンする時に、他の店にはないインパクトのあるインテリアにしようと、洋画鑑賞が趣味だったことから、映画俳優のポスターを飾ったことが始まりだそうだよ
「インデアン長崎屋店」が狙い目(まもなく閉店?)
実は僕が一番よく行っているお店は帯広駅のすぐ南にある長崎屋にテナントとして入っている「インデアン長崎屋店」。
僕はいつも帯広の町の南にある「北海道ホテル」に泊まるので、北口ではなく南口を利用することが多いのですが、まちなか店が比較的いつも混雑しているのにくらべて、ここはたいていゆっくり食べられるというのも理由のひとつです。
長崎屋店は2階のフードコートの一画にありますが、フードコートといってもこのインデアン以外にはあんまりお店なかったような気もするけど・・・
なのでテーブルはフードコート共有のものですが、たいていこんな感じでゆったりとできるのです。
それでも夕方、高校生の帰宅時や、休日の夕食の時間帯に重なると広くて閑散としたフードコートにわずかな喧騒と幸せそうな笑顔が広がって、僕はこんなひとときも嫌いではありませんでした。
ところが、この長崎屋の撤退が決まって、2023年の7月末で長崎屋の直営部分が閉店となり、このビルに残るテナントも2024年3月で撤退するというニュースが流れています。
帯広は町のシンボルだった藤丸百貨店も2023年1月で閉店したばかり。この長崎屋もなくなってしまうのは寂しいことですね。
インデアンがこの十勝からなくなることは当面ないでしょう。札幌に出店すれば間違いなく人気店になるはずですが、今のところ十勝の地を離れる意向はないようです。
函館のラッキーピエロもそうですが、北海道にはこうした地域に密着した人気店があるのは素晴らしいと思います。
帯広に行かなければ食べられない「インデアン」であり続けて、帯広の町の灯をこれ以上消さないように頑張ってほしいと思います。
<2019年9月訪問ほか> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
インデアンカレーへの旅
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