奥会津の郷土写真家、星賢孝さんの写真に触発されてやってきた只見線撮影の旅。
いよいよそのハイライト、只見川第1橋梁にやってきました。
川霧の中、奥会津の深い谷にかかる鉄橋を進む只見線の列車を、はたして僕は撮影できたのでしょうか?
そしてその後は意外な展開に発展?
「道の駅 尾瀬街道みしま宿」へ
朝、目覚めてみると、部屋の窓の外の只見川にうっすらと川霧がかかっているのが見えました。
出たぞ!川霧。
川面を乳白色に覆いつくすような凄さはないけど、もっとどんどん湧き上がってくれないかな?
川霧の出やすい早朝から出かけられるよう、前日、僕は只見川第1橋梁の最寄駅となる三島町の会津宮下駅近くの旅館に泊まっていたのでした。
朝5時。
これから、今回の撮影たびのハイライト、只見川第1橋梁の撮影に向かいます。
僕が憧れた、星さんの写真みたいに幻想的な写真が撮れればいいんだけど。
ホテルから只見川第1橋梁の撮影スポットまでは約3キロ、昨日の夕方、駅前で借りた今回2台目のレンタサイクルで向かいます。
その途中にアーチ3兄弟と呼ばれる3つの橋がありました。
一番上の橋が国道252号線の新宮下橋。これからこの国道まで登って撮影場所に向かいます。
真ん中の橋が只見線の大谷川橋梁。
そして一番手前の橋が宮下橋で、これからここを渡って三島の町から高台の国道に向かいます。
急坂を上って国道に出ると「絶景 第1只見川橋梁ビューポイント」と書かれた看板が見えてきます。
このビュースポットがあるのが「道の駅 尾瀬街道みしま宿」。
早朝なのでまだ店舗は開いてませんが、トイレや自販機、屋外テラスのベンチもあってここが只見川第1橋梁撮影のベースとなります。
只見川第1橋梁撮影ポイントまでは山道を歩く
只見川第1橋梁の撮影ポイントまで、ここから遊歩道が整備されています。
国道の短い橋を渡るとトンネルの脇から山に登る道があり、最初のビュースポットⒷはほんの2、3分で到着します。
が、ここからのビューはまだイマイチ。前の木が邪魔だし、橋梁も半分くらい隠れています。
そんなわけでさらに上へと向かいます。
階段の途中にもビュースポット🄫がありますが、基本的に上に行けば行くほど眺望は開けるのでここも通過。
歩き始めて10分くらいでしょうか、遊歩道の最上部にある鉄塔付近Ⓓに到着すると、この景色!
どうですか?
ここが只見線の絶景撮影スポットの聖地と呼ばれる只見川第1橋梁の撮影地です。
川霧もいい感じで立ち上っています。
もう少しこっちのほうに流れてきてくれるともっと幻想的になるんだけどな。
さすがに聖地と呼ばれるスポットだけあって3連休初日の早朝なのに、すでに何人かのカメラマンがスタンバってました。
いよいよ始発列車が登場
僕は大げさな三脚も持ってないので空いているスペースに入れてもらって、朝6時に来る始発列車を待ちつつ、偶然隣になったカメラ女子と自然に会話が始まりました。
彼女は昨日仕事を終えたあと、東京から夜通しハンドルを握って一人でやってきたOL兼フリーライター兼温泉モデル。
普段は丸の内の外資系金融に勤務、43歳独身(全然そう見えない)、×なし、ステディーもこの2年なし。週末は主に秘湯の取材。
今日はこのあと何カ所かで只見線を撮って車中泊、明日はこの付近の秘湯で自らモデルになって入浴シーンを自撮り取材して帰るのだそう。
ホントはこの近くにある玉梨温泉の秘湯宿に泊まりたかったんだけど、3連休で取れなかったのよ・・・
・・・・・・マジですか?
俺、今夜玉梨温泉に泊まるんだけど。広い和室にたったひとりで
えー、ぜひご一緒させてもらえませんか?
明日の入浴シーンも誰かに撮ってもらいたかったし・・・
・・・・・・マ・マ・マジかよ!
い、い、いや、俺、川霧が出るまで只見線から離れられねーって心に決めてるし、あああああ、川霧もう出ちゃってたし!!!
と、いい感じで妄想してたら、あっという間に時は過ぎ、一番列車が只見川第1橋梁を渡り始めました。
川霧がもう少し立ち上ってたらよかったんですが、さっきより引いちゃいましたね。
この感じだと対岸の下から見上げて撮るとちょうどいい感じだったかもしれません。
でもこればっかりは自然現象なので仕方ないですね。
初めてここにきて、いきなりスゴイ川霧を撮れちゃうことなんて、めったにないから…
僕の頭の中で、丸の内の独身秘湯温泉モデルライター43歳の彼女が再びそんなふうにつぶやいたような気がして、慌てて横を見ると、人の好さそうな43歳独身×なし、ステディーは43年なし、普段は赤羽でコンビニのバイトをしてそうなおにーさんが満面の笑みで立っていました。
始発列車が行ってしまうと、ほとんどのカメラマンは三脚をたたんで帰ってしまいましたが、僕はそのままここに残って7時台の2本の列車を待ちます。
只見線は超絶ローカル線なため列車の本数も少なく、一度に何本もまとめて撮影できることは少ないのですが、朝だけは3本の列車が比較的近い時間帯に走るので、せっかくならもう少し撮っておこう、と思ったのです。
ちなみにこの撮影スポット、西のほうを向くと遠くに只見川第2橋梁も望めます。手前に山があるため川面も見えず、素晴らしいショットが撮れるわけではありませんが。
川霧は時間がたてばたつほど(日が高くなればなるほど)消えていくようで、7時台の列車が走るころは、残念ながらほとんど消えてしまいました。
でもそのぶん、水鏡に映った列車と鉄橋がきれいな対称をかたちづくっていて素晴らしいですね。
只見川は多くのダムにせき止められているため、ほとんど流れがなく、また周りを急峻な山々に囲まれているため風の影響を受けることも少ないので、こうしたきれいな水鏡ができることも多いようです。
川霧は完璧じゃなかったけど、この水鏡を見ただけでもここに来た価値はあったかな。
只見川第1橋梁の裏スポットとか只見川第3橋梁とか
この日も僕の移動手段は三島町の観光案内所で借りた三島町レンタサイクル「由紀夫くん」。
文学部国文学科で5年間も学び、大変優秀な成績で卒業した僕のPCは「三島」と入力すると「由紀夫」って変換されちゃうので、咄嗟に「由紀夫くん」なんて名付けちゃったけど、やっぱ男には乗りたくないな。せめて「由紀子ちゃん」にしとこ。
まー、そんなことはいいとして、この真っ赤なレンタサイクル、行く先々の撮影スポットでまわりのカメラマンに大人気!
ほぼ男性率98%の撮り鉄スポットで大人気になってもあまりうれしくないんだけど、
「へー、こんなんでよくこんな山奥まで来ましたねー」
から会話がはじまって、只見線撮影地に関する蘊蓄や、いろんなネタを教えてくれるのです。
そんなわけで次に向かったのが彼らに教えてもらった只見川第1橋梁の裏スポット。
道の駅みしま宿わきの国道を会津若松方面に進み、長いトンネルを出たところで会津桧原の集落へ下ります。
ここから先は結構わかりにくかったのですが、なんとか教えられたとおりにたどり着いた場所が、ここ。
おおお、さっきと正反対だ。
朝は南から只見川第1橋梁の北側を見下ろしていたのですが、ここは橋梁の北から南を見上げる形になります。
ここにもカメラマンのおじさんがいて、今日は定期列車のほかに保線用だかなんだかの列車が来るから早めに準備しなさいと教えてくれます。
あ、ほんとだ。
定期列車が通るはずの時間を過ぎても来ないと、どれどれ、とか言ってどっかのサイトにアクセスして
「10分遅れらしい」
とか教えてくれるし、至れりつくせりやなー。
そして次はこのおじさんに教えてもらった、只見川第3橋梁の撮影スポットへ行くことに。
なんだか行く先々で情報もらってわらしべ長者みたいな旅になってきたぞ!
再び国道を戻って三島の町を抜け、そのまま只見川沿いの山道に入ります。
途中にもカメラをもったおじさんがいましたが、ここはまだ第3橋梁ではありません。
それにしても素晴らしい眺め!
今から考えればここでも1枚撮ればよかったな、と思うくらい。
只見川第3橋梁の撮影スポットはすぐわかりました。
道路わきにたくさんのカメラマンが三脚立ててましたからね。
まさかこんなにたくさん列車の写真撮るとは思ってなかったけど、第1~第3橋梁みたら第4橋梁にも行きたくなっちゃったので、翌日のために場所を教えてもらいました。
そんなわらしべ体験のお陰で書けた僕の只見線撮影ガイドの記事がこれです。
「只見線撮影地」で検索するとトップに表示されて、結構アクセスを稼いでいます。
おにーさんたち、ありがとう!
只見線の基本情報
只見川第1橋梁への旅
只見川第1橋梁最寄の温泉!
鉄道ファン御用達!
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