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髪に悩む男の希望の駅、留萌本線「増毛駅」にさよなら【北海道】

北海道の増毛(ましけ)駅は、2016年12月の留萌本線「留萌駅~増毛駅」区間廃止により、鉄道駅としての役割を終えました。

増毛駅は、日本海に面した古い港町の陸の玄関であるとともに、故・高倉健さん主演の映画「駅」のロケ地として、そして何よりもそのユニークな名前から、髪に悩む男性たちの希望の地としても有名な駅でした。

これはその廃止の1年ほど前に、さよならを言いに行った時のお話です。

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留萌駅のもえる妻たち?

留萌本線は函館本線の深川駅から留萌駅を経て増毛駅に至る総距離66.8キロの路線。

当時はこのうち特に乗客の減少が著しい留萌~増毛間の16.7キロが2016年度中に廃止される予定でした(実際に2016年12月に廃止)。

深川駅にて

この時は、廃止されるのは「留萌~増毛」間だけで、「深川~留萌」間の存続は特に言及されていませんでしたが、その後、JR北海道はさらに留萌本線の残った部分の存続も厳しいことを表明し、2020年度内の廃止が見込まれています。

もちろんこの時はまだそのことは知らなかったので、メインは留萌から増毛までの区間でしたが、その後深川~留萌間にも改めてさよならを言いに行ったので、それはまた別の記事で紹介します。

列車は深川駅を出ると1時間ほどで留萌駅に到着します。

かつて、この留萌から日本海に沿って道北の宗谷本線幌延駅まで羽幌線が分岐していたこともあり、留萌の駅構内は広く、古いながらも鉄道の要所であった風格を醸し出しています。

留萌は日本海に面したニシン漁の港町として栄えたところ。

またそのニシンの卵である数の子などの水産加工地としても有名で、今でも留萌支庁の中心地ではありますが、駅前は北海道の他の中小都市同様、とても静かです。

いや、こう見ると留萌はまだ賑やかな方かもしれません

こちらも立派な留萌駅舎。

ん?
左上に、なんだか駅舎っぽくないピンクの看板があるぞ。

「FMもえる!」

これ、ラジオの周波数を示す「MHz」の表示がなかったら、確実にヤバイ店ですよね。。。

エフエムもえるは北海道留萌市のコミュニティ放送局。

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「留萌」→「萌える」→「もえる」ということは大半の常識的な人間は説明されなくてもわかるかと思いますが(わかるのか?)、なかなか斬新なネーミング&コーポレートカラーです。

いいじゃないか、エフエムもえる!

きっと「もえるちゃん」とかいう留萌きっての人妻がパーソナリティをしている「金曜日の萌える妻たちへ」みたいなのが局の看板番組に違いない!

と思っていたのですが、かつて「金曜日の奥様たちへ」という番組はあったようですが、パーソナリティは人妻ではないようでした、惜しい!

「留萌~増毛」の廃止区間へ

さて、駅に戻り、ここから先、留萌~増毛間が今回さよならの区間。僕はこの区間は2回目の乗車になります。

留萌本線の深川~留萌間は全区間が内陸の平野部と山間部でしたが、留萌を過ぎると、今度はほぼ全区間が日本海と並走し、海岸部に沿って走ることになります。

留萌~増毛間の途中の7つの駅はすべて小さな無人駅ですが、ホームの向こうには小さな集落とともに海が見えている駅がほとんどです。

留萌の市街地を抜けると、海を挟んで向こう側には増毛の町並みと、その後ろにはほぼ垂直に切り立った厳しい断崖が見えてきます。

増毛から先の海岸線は北海道の中でも特に厳しい断崖絶壁の続く場所で、かつて陸の孤島と言われた雄冬の集落が有名ですが、見えているのはそのあたりでしょうか。

「増毛」という駅名がなくなるのも惜しいのですが、個人的にはこの「あ・ふん」駅がなくなるのもたいそう残念だと思いました。

日本海に沿って約30分、車窓右に増毛の港とマリーナが見えてくると、まもなく終点の増毛駅に到着となります。

増毛駅のおまじない

列車が増毛駅に到着し、ワンマンカーの前側のドアから降りようとすると、なんとこんな車内広告が。

なんだこれ、ネタか?と思いましたが、考えてみれば、これ、マーケティングの王道。

この列車に乗る人は、髪に悩む人々の出現率が高かろう、という分析ですね。

増毛を「ましけ」ではなく「ぞうもう」と読めば、ここは髪に悩む男性たちの希望の場所となるのです。

結構ストレートなJRさん制作?のキャッチコピー

これがお守りということなのでしょう。

こうして増毛駅の硬券入場券がお土産として大々的に発売されていて、増毛駅前の風待食堂や、留萌駅の窓口などで購入することができます。

僕は、現在のところ全く必要性を感じませんが、一応ネタとして買っておきました。
ちなみに、本日の髪に悩む男性の出現率は約85%でした(・・・・・ネタです)

さて、増毛は、降りたホームから駅舎へと歩く途中、車輪止めによって途切れた線路が見えるため、本当の終着駅であることを実感できる駅でもあります。

かつては貨物用の線路や転車台が敷設されていた広い構内も今は草に覆われた荒地になっていて、多数の職員がいた駅も、今は無人駅となっています。

増毛駅の廃止が報道されてから、休日を中心に数多くの観光客や鉄道ファンが訪れているようで、この日も列車に2~30人乗ってましたし、駅に着くと車で来ていた人たちも多数待ちかまえていました。

廃止が決まったとたんに別れを惜しむ人々が押し寄せる、というよくあるパターンですね。

乗客が急増したことによって、ここも日本一の秘境駅・小幌駅みたいに「やっぱ廃止やーめた」ということになればいいのですが、単に駅だけを残すのと、路線自体を残すのでは全然違うので、残念ながらここは残ることはないでしょう。

映画やドラマのロケ地としても有名な増毛駅

増毛といえば、その情緒あふれる独特の雰囲気から数多くのドラマや映画のロケ地となっていることでも有名です。

とくに有名なのが、故高倉健さん主演の映画、『駅 STATION』

健さんの扮する警察官、英次の故郷が雄冬という設定だったこともあり、増毛駅から連絡船に乗るシーンや、烏丸せつこの扮するすず子が働いていた風待食堂など、増毛駅を中心としたこの一帯がたびたび登場します。

この風待食堂は現在は観光案内所となっていて、中に入ると「駅」のロケ風景の写真が飾ってあります。

img_4677a.jpg

駅 STATION(Amazon)

イメージ(転用禁止)

また、増毛は古くから栄えた港町だけあって町なかにも歴史ある建物がたくさん残っています。

今回は行けなかったのですが、増毛を代表する豪商で、ニシン漁全盛期の豪華な建物や装飾品が残されている旧商家丸一本間家や、その本間家が始めた日本最北の酒蔵、國稀酒造など。

特にこの國稀酒蔵は利き酒コーナーで無料の味比べ試飲ができるらしく、おすすめだそうです。

ページが見つかりませんでした - 最北の酒蔵・国稀酒造株式会社/北海道・増毛町/日本酒・酒蔵

国稀酒造のお酒(Amazon)

イメージ(転用禁止)

そのほかに僕が前に増毛に来た時にいいなあーと思ったのは、町の高台にある北海道最古の木造校舎「旧増毛小学校」

Ⓒ増毛町観光協会(転用禁止)

そしてこの「ザ・終着駅」という感じの増毛駅も、増毛の町並みのひとつであることは間違いない、と思うので、さよならはやっぱりちょっと惜しいですね。

特に髪に悩む世の男性諸君にとってはとても心細い出来事になってしまうのではないでしょうか。

幸いなことに、僕には今のところ全く関係ありませんが

<2015年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

※ちなみに、増毛駅はその後きれいに改装されて、開業当初の大きさに復元、公開されているそうですので、ぜひ行ってみてください。

増毛駅の基本情報

僕の関係する会社です。予約はぜひこちらで!

北海道のホテル・旅館(るるぶトラベル)

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