立山黒部アルペンルートに行ったらぜひ食べてほしいグルメがあります。
それが黒部ダムカレー。
いまや全国津々浦々にダムカレーがありますが、その発祥といわれるのがこの黒部ダムをモチーフにした「アーチカレー」。
そんなわけで行ってみました黒部ダム!(そのためだけに行ったわけじゃないけど)。
室堂から黒部湖へ
今回黒部ダムに行ったのは、富山県側から長野県側へと家族旅行で立山黒部アルペンルートを抜ける途中。
前日、室堂に泊まった僕たちは標高2450m、日本で一番高い場所にある駅、室堂から立山黒部貫光無軌条電車線のトロリーバスに乗ります。
何台かのバスが並んでいて、乗客数に応じて運行本数を調整するようです。
このトロリーバスが走る立山トンネルは、立山連峰の標高3000メートルの雄山直下を貫くトンネル。途中に長野県との県境を越え、約10分で標高2316mの大観峰駅に到着します。
大観峰駅の屋上には「雲上テラス」と呼ばれる展望台があるのですが、残念ながら雲上ではなく雲のまっただ中。
黒部湖も北アルプスの山々も案内板しか見えません。
室堂を出たときは雲一つない晴れだったのですが、山を一つ越えると、もうこんなに違うんですね。
大観峰からはロープウェイで黒部平へ。
ロープウェイ、最初はガスってましたが、下界へと下るにつれだんだんと視界が開けてきます。
すれ違うロープウェイの向こうに黒部湖が見えてきました。
ロープウェイの山麓側の駅、黒部平は標高1828m。
ここにも屋上に展望台がありますが、一挙に500mも下ってきたのでこっちは雲に覆われることなく、視界は良好でした。
このあたりは紅葉がめちゃくちゃきれいな場所なんですよね。
秋のパンフレットにはだいたいこのロープウェイを入れた真っ赤な紅葉の写真が載ってますよね。
下の方を見ると、遠くに黒部ダムの周辺施設が見えました。
黒部平からはケーブルカーで黒部湖へ。
ここでいよいよ黒部ダムのお出ましです。
黒部ダム展望散策
黒部湖駅から黒部ダム駅まではダムの天端(ダムの上のこと)とよばれる道を進みます。
途中から覗き込むとこんな感じ。
虹、出てますね。
よく頑張ってのぞき込んだ、俺!かなり高所恐怖症なんですけどね。
ダムの谷底に黒部川が見えます。
この黒部川の下流をずっと進むと黒四地下発電所(黒部川第4地下発電所)があり、黒部峡谷鉄道の終点、欅平駅があります。
通常は非公開のこの工事用ルートに抽選で参加できる究極の大人の社会科見学「関電黒部ルート見学会」というのがあるのですが、欅平からここ(黒部ダムの上)まで辿ってくるというものなのです。
ところがこの抽選会の倍率が高くてなかなか当たらないのですが、なんと2024年に一般人も参加できる旅行商品として販売されるようです。
めっちゃ行きたい!こんなスゴイ山の中を抜けて黒部ダムまで来られるなんて信じられない!
さて、黒部ダムには2つの展望台があります。
一つ目はダムの天端から結構な数の階段を登った先にある「ダム展望台」から見下ろすパターン。
湖面と放水シーンが両方見られるのがこのアングルからの特徴ですね。
もうひとつはダムの天端から階段を下がった場所にある「新展望広場」。
上に行ったり下に行ったり大変なんですが、どっちも見る価値がある眺めなんです。
そう、この下の展望台はダムの放水を間近で見られるスポットなのです。
黒部ダムでは6月から10月の観光シーズンに、毎秒10トン以上の水を観光用に放水していて、この迫力!
この新展望広場の横には「黒部の物語」というダム建設までの歴史を描いた展示会場がありました。
「黒部の太陽」だとか「プロジェクトX」などで日本の建設工事史上最大の困難克服物語としていろいろなところで語られていますが、あらためて日本の技術、スゴイですよ。
よくもまあこんな隔絶された山奥に、50年以上も前にこんなバカでかいダム作れたもんですね。
そして念願の黒部ダムカレー
黒部ダムカレーのメニューを提供しているのは黒部ダムレストハウスですが、さすがに夏休みのランチ時は混んでいて40分待ち。。。
本当はダムカレーは黒部ダムで食べたかったのですが、これから乗るトロリーバスの終点、扇沢レストハウスでもダムカレーが食せるのです。
そんなわけでこの立山黒部アルペンルート最後の交通機関「関電トンネルトロリーバス」に乗って扇沢に到着。
そしてありました、黒部ダムカレー!しかもなんと3兄弟!
この真ん中の「アーチダムカレー」が元祖ダムカレーですよ!
昭和32年5月、黒部ダムへ通じる大町トンネル(現:関電トンネル)工事も佳境に入ったまさにその時、工事現場は大破砕帯にぶつかり毎分40トンもの出水にみまわれてしまいました。水温はなんと4℃。
そのような厳しい環境のなかでも工事は24時間休みなく行われました。あまりの寒さに唇を紫色に腫らし震えながら戻ってきた作業員達が何よりも楽しみにしていたのが、当時は珍しかった“飯場”のカレーライスでした。
週に1回程度の割合で出されたカレーライスのひと口ひと口が胃の中で燃え上がり、冷え切った体を温めてくれたそうです。
このように黒部ダムの建設現場において作業員の心の拠り所でもあったカレーは、ダム完成後は日向山高原にあった大町クラブハウスで「アーチカレー」となって提供が始まり、昭和40年代初頭には、扇沢駅大食堂(現:扇沢レストハウス)で本格的に提供が開始され、今日に至っています。
© 2021黒部ダムカレー
一番上のシンプルなものが「元祖アーチダムカレー」
下段左が「黒部ダムカレー」
そして下段右が「2色カレー」
せっかくなので家族みんな別のものを注文してみました。
ダム決壊!
一度はやってみたかったダム決壊遊びも念願かなったので、満足して東京に帰りました。
<2016年8月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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