思わず降りてしまう という経験を
したことがありますか。
こんなキャッチコピーとともに青春18きっぷのポスターになったことで「日本一海に近い駅」として注目され、さらに映画やドラマのロケ地にもなったことで、今や日本有数のフォトジェニックな駅として大人気の愛媛県・下灘駅。
恥ずかしながらそれまで下灘なんて駅は知らず、 SNSブームで初めてその存在を知った僕が、なんちゃらジェニックだかなんちゃらマジックだかにまんまと引っかかって、ノコノコと行ってみたら…というお話。
思わず降りてしまう絶景の駅、下灘。
四国、予讃線の伊予大洲~伊予市間は、伊予灘の美しい海岸に沿って走る区間。
ここはかつて特急・急行の走る幹線ルートでしたが、スピードアップのため優等列車はすべて新たに開通した内子線を経由するようになり、1日10往復程度の普通列車がのんびりと走る誰も知らないようなローカル線でした、数年前までは。
そんなこの路線を劇的に変えたのが、この1枚のポスター。
そもそもうまいんだよな、青春18きっぷシリーズのクリエイティブ。
コピーもグラフィックも。
ホントに旅に出たくなっちゃうんだもん。
そんなわけで僕も思わず降りちゃったふうに、この下灘駅に降りてみようと思ったわけです。
伊予大洲から僕が乗った普通列車は1両でしたが、下灘駅に到着するころには乗客は半分もなく、ポスターみたいな絵が撮れるかな、と思っていたのでした。
車窓を遮るものがなくなって、窓いっぱいに伊予灘が広がると、やがて下灘駅に到着します。
しかし僕の目の前に広がったのは、信じがたい光景だったのでした。
降りなきゃよかったのか、下灘駅。
「思わず降りてしまう駅」とうたわれた下灘駅ですが、ホームに一歩足を踏み出した途端、
「あー、降りなきゃよかった・・・」と思わずつぶやきそうになりました。
ごらんのとおり、人・人・人・・・
そもそも、なんですか君たちは?
列車にも乗らずに、どっから湧いてきたんですか?
ホームの上で無秩序に突っ立って写真撮っちゃって、下灘駅、インスタ映えどころじゃないっす!
確かにこの日はGW中の休日だったので、こうなってることを想像もしてなかった無垢すぎる僕も僕ですが、しっかしこれはヒドい(笑)
北海道にある日本一の秘境駅、小幌駅に行った時も人が多くてびっくりしたのですが、あそこは車では行けず、みんな(2駅先に車を停めて)列車に乗ってやってきてたのでまだ許せるんですが、ここは90%以上車で直接来てる感じ。
車窓いっぱいに広がる伊予灘にあまりにも近すぎるホームに列車が停まったんで、思わず降りちゃう駅じゃないのかこの駅は!
キミたちには旅のマエのワクワク感とかそのアトの余韻とかないのか?
旅情もなにもすっ飛ばして、ただインスタでいいねもらうためだけに車で直接乗り付けて、夕陽の写真だけ撮って帰りゃいーのか?
いやーん、前後の余韻無視してスバリだけしかしないひと。。。
・・・とちょっと熱くなってきたので、とりあえず、ちょっと人(と熱)が引くまで駅の外に出ようと思います。
げっ、駅前に出店まで出てる。
ま、確かに周りにはコンビニどころかよろずやの一軒もない場所なんですけどね。
駅舎の中にはこんな案内がありました。
これ、おっしゃるとーりなんですが、駅舎に貼ってあっても意味ないぞ、JR四国!
もうみんな車で来ちゃってるんだから。
僕の写真をtwitterで見た人が、車で来たやつからは入場料がわりにしっかり駐車料金とればいいのに、と言ってましたが、まさにその通り。
車で来て駐車料金500円とか1000円とか取られるなら、往復420円払って絶景見ながら列車で来る人も増えるんじゃないか?
下灘駅周辺の無料駐車場ばっかり整備してないで、もっと回遊させること考えたほうが賢いと思うぞ、地元伊予市!
夕暮れの絶景は、夕陽ズバリ派野郎たちと
下りの列車が来ても、やはりほぼ誰も降りず、ほぼ誰も乗らず。
一方、駅は人が引くどころか、日の入りが近づくにつれどんどん人が増えてきます。
こりゃー夕陽が沈むまで、この夕陽ズバリ派野郎たちはいるつもりだな。
しかたなく人がいなくなる瞬間を狙って僕も写真を撮ってみます。
あ、ちっちゃい子が端っこに入っちゃったけど、まあかわいいから許そう。
これもうしろ姿と夕陽マジックに騙されてるだけかもしれないけど、るるぶ&moreみたいな写真が撮れたから良しとしよう。
しかし実際はこんな感じ。。。
でもまあ確かに、ここからの夕陽は素晴らしいですね。
みんながここに集まってくるのはわかります。
こんな駅名標が撮れる駅、めったにないですしね。
太陽が地平線の向こうに沈んでしまうと、夕陽スバリ派野郎は次々に駅をあとにしはじめました。
下灘駅は、夕暮れあとのマジックタイムが狙い目
やはり愚かな夕陽スバリ派野郎。
本当のマジックタイムはこれからなんですけどね。
おかげでようやく旅情あふれる写真が撮れました。
おお、いいねいいねカップル。
この写真は、僕が駅に残ってた余韻大好き女子をナンパして、オートで写したものじゃないのか?
そんなフォロワー女子の嫉妬で、僕のTwitterが炎上することを想定し、記者会見用の問答集を用意していたのですが、まったく炎上しなかったので、それに関するコメントは控えさせていただきます。
すっかり夜になった後も、余韻王子と呼ばれている僕は下灘駅に打ち寄せる波といつまでもピロートークを楽しんでいたのでした。
っていうか列車が来るのを待ってただけなんですけどね。
夕方過ぎると、2時間近く列車来ないんでね。
<2018年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
下灘駅の基本情報
住所: 愛媛県伊予市双海町大久保
下灘駅への旅
僕の関係する会社です。予約はぜひこちらで!
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