最近、日本もマチュピチュばやりなのか、いろんなところでなんちゃってマチュピチュが発見されてるようですが、なんと岐阜県にもマチュピチュがあったようです。
人呼んで「岐阜のマチュピチュ」、別名「天空の茶畑」とも言われているらしいのです。
いいじゃないか、岐阜のマチュピチュ。
(僕が行った)GWはまさに夏も近づく八十八夜、今が一番茶畑が美しい時期。
「茜たすきに菅の笠」すがたの無垢な茶娘が、せっせと新茶を積みながら僕を待ってるに違いない!
そう、僕は意外と茶畑マニア(だと一昨年あたりから気付きはじめた)のです。
岐阜のマチュピチュはレンタサイクルで!
岐阜のマチュピチュは、岐阜県の揖斐川町と呼ばれるところにあります。
大垣から出ている養老鉄道というローカル私鉄の終点、揖斐駅がその最寄駅。
大垣から30分で揖斐に到着。
天空の茶畑は、ここからまだずっと奥のほうにあります。
なんてたってマチュピチュですから。。。
ということで、ここから先はレンタサイクル「養老くん」を借りたいと思います。
実はここ、サイクリングのメッカなんですよ。
この養老鉄道沿線には揖斐川沿いのサイクリングロードが整備されているので、電車に自転車もめっちゃ積めちゃうほど。
・・・めっちゃというほど積まれてませんでしたが。。。
ま、とにかくこの養老鉄道には「養鉄トレクル(たぶんトレイン&サイクルの略)」といって、沿線の数か所にレンタサイクルの貸し出し場所があって乗り捨ても自由、とレンタサイクラーにとっては便利な地域なのです。
そんなわけで揖斐駅で予約していた電動レンタサイクル「養老くん」を借り、いざ出発!と思ったのですが、背中の荷物が重い。。。
揖斐駅にはコインロッカーがなく、近くにも荷物が預けられそうなところはありません。
5泊6日の旅の荷物(この時は隠岐からの帰り)とか、想い出とか煩悩とか、女の子の連絡先とかがぜーんぶ詰まったリュックを背負ったまま、これからマチュピチュに向け命をかけて困難な道のりを進むのは不安この上ありません。
どこかにショッピングモールでもないかな、と途方に暮れて自転車を漕いでいると、ロードサイドのパチンコ屋を発見。
最近のパチンコ店には無料ロッカーがあるのですが、まあタダじゃ申し訳ないので、ここは一発ロッカーも借りて、なおかつこの千円を10倍にして僕に還元してこそパチンコ屋さんも本望だろう、と勝負を挑んでみたのですが、あっという間に3千円が消えてしまいました。
市価の10倍でしたな、ここのコインロッカーは。
なんと岐阜には「マチュピチュクーポン」も
さて、この岐阜のマチュピチュでは、電動サイクルを借りた人向けに「マチュピチュクーポン」というオトクなクーポンブックがあります。
有料で1部500円ですが、道中のオアシスポイントと呼ばれるお店で2回、いび茶・コーヒーなどのドリンクもしくは地域のスイーツなどが楽しめる、ということなので僕も購入してみました。
まずはお店で特製のタンブラーと交換して(これもクーポンでもらえます)、その中に1回目のドリンクを入れてもらいます。
ちなみに2回目は帰りにレンタサイクル返却場所近くの池田町の商店街で「肉桂餅(にっきもち)」という地元の銘菓と交換しました。
肉桂とはシナモンのことで、ニッキ(シナモン)を練りこんだ生地でこしあんを包んだ餅菓子。大阪の堺名物として有名なようですが、この西美濃・揖斐地方でも昔から銘菓とされています。
この右奥の茶色っぽいお餅がそうですね。
タンブラーもドリンクもスイーツもぜーんぶ合わせて500円ならば、コストパフォーマンスとしてはまずまずではないでしょうか。
岐阜のマチュピチュ天空ロードへ
やがて粕川という揖斐川の支流が現れ、その流れに沿って渓谷沿いの道を進みます。
やがて樫村というバス停のあたりに分かれ道があって「天空の里 上ヶ流 車で10分」と書かれた看板が出てきます。
この道を曲がると、いよいよマチュピチュへの天空ロード。
ま、こーゆー感じの道ですわ。
でもレンタサイクル「養老くん」電動のスポーツタイプなので、意外と優秀。立ちこぎしなくても頑張れば登れる感じでしたよ。
途中の少し開けたところでなんか見えてきたぞ。
おおお、天空の茶畑っぽいけど、これが岐阜のマチュピチュか???
山襞の向こうに遠く濃尾平野が見渡せるあたりまで登ってくると、小高い山の上に出たのか、いきなり視界が開けて一面の茶畑が出現します。
ここが岐阜のマチュピチュと言われる「天空の茶畑」。
おおお、とうとう着いたぞ岐阜のマチュピチュ!
とか言って「養老くん」と記念撮影なんかしてたのですが、どうやら本当の「岐阜のマチュピチュ」と言われる風景を楽しむには、ここからもっと上に行かなければならなかったのです。
天空の遊歩道で岐阜のマチュピチュ展望台へ
岐阜のマチュピチュと呼ばれる「天空の茶畑」があるのは、揖斐川町春日の上ヶ流(かみがれ)地区と呼ばれるところ。
古くて立派な家が並ぶ小さな集落がありました。
標高が高いため寒暖の差が大きく、雲上で霧が出ることも多いため、この天空の里はお茶の栽培に適した土地なのだそうです。
集落の中心部にお茶屋さんがありました。
ここでは挽きたての新鮮なお茶を飲んだり、なかなか豪華なお茶のスイーツが楽しめたりするほか、茶摘み体験とかバーベキューとか日本文化体験とかできるみたいです。
ん?なんでマチュピチュで日本文化体験?
日本文化と言っても外国人向けの簡単な書道体験のようですが、ここまでインバウンドの波は押し寄せているのでしょうか?
この日はGWということもあり、日本人ばかりでしたが。
さて、岐阜のマチュピチュ風景に出会うためには、この上ヶ流地区から「天空の遊歩道」と呼ばれる道を登ることになります。
やがて山肌をはうような急な坂道が現れて、それを10分ほど登り詰めると、絶景ポイントと書かれた地点に到着。
振り返ると、そこには岐阜のマチュピチュがありました!
おおおおお、山はちょっとマチュピチュっぽいくないけど、まあなんとか雰囲気はわかるぞ!
ホンモノのマチュピチュには行ったことないので、偉そうなことは言えないけど。。。
おそらくこの岐阜のマチュピチュも、SNSでの拡散でここ最近急に人気になったんでしょうね。
この遊歩道ができたのも去年のことで、地元の方々がボランティアで山道を切り開いて整備したのだそうです。
だから看板類も全部手書き&手作りだったんですね。
この日はGW最終日とはいえ、やはりかなりの人で賑わっていましたが、駐車場の誘導や受付をしているのも地元のお父さん、お母さんふうでした。
お父さんもお母さんも、びっくりしてるでしょうね。
今まで誰も知らないような山上の秘境だったのに、急にどっと人が押し寄せてきて。しかも海外からも。
でもこれからはそんなのがもっと当たり前に、さらに激しくなっていくんでしょうね。
わかりやすいキャッチコピーとSNS映えするワンショット。
それを見て日本中、そして世界中の人々がどんどん日本の今まで知られていなかった魅力的な場所にやってくる。
このこと自体は喜ばしいことです。
けれどもブームが去ってしまったら、荒らすだけ荒らされて、知られざる静かな秘境にも戻れず、人気の観光地にもなれず。。。
そんなふうになってしまうのも悲しいことです。
細くても、いつまでも長く生きてほしいと思います。
たとえば隠岐が毎年少しずつ島っ子をつくりだしているように、たくさんでなくてもいい、また行きたい、とか子供が大きくなったら行かせたい、とか、そんなのでもいいんだと思います。
大ブレイクした後に、そのほとんどは絶滅してしまう一発屋芸人の中でいうと、ダンディ坂野あたりでしょうかね、目指すべきところは。
<2017年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
岐阜のマチュピチュの基本情報
岐阜のマチュピチュへの旅
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