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軍艦島に上陸!「ブラックダイアモンド号」は劇場型クルーズ【長崎県】

長崎の世界遺産、軍艦島には3回行ったことがあります。

軍艦島観光を行っているツアー会社はいくつかありますが、上陸後の島内観光コースはすべて同じです。ただその会社ごとの特色というか重視する価値のようなものは違っているような気がします。

今回紹介するのは、その中でも一番「情」に訴えてくる劇場型軍艦島観光

ガイドさんの案内がとても物語的で、思わず聞き入ってしまう、そんな体験でした。

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軍艦島上陸確率は?

世界遺産になった軍艦島ですが、上陸のためには船が着岸するための風や波などの安全基準を満たしていることが条件になっており、行けば必ず上陸できるというものではありません

せっかく軍艦島行ったのに上陸できなかったぜー、という話を結構いろんなところで聞いていたので、そこへの上陸率は、季節によっても多少前後はするものの、結構厳しい数字(平均すると5割から6割くらい?)なんじゃないか、と勝手に思っていたのでした。

僕が最初に軍艦島に行ったのはたぶんもう10年以上前で、たしかその頃はまだ観光客は船に乗って島の周りを周回しながら見ることしかできませんでした。
そのあと2009年から島に上陸して観光ができるようになったため、2回目の軍艦島が上陸への初トライでしたが、無事に成功。
そして今回が3回目ですが、今回も全く波のない、素晴らしい天気だったのです。

さすが、俺。
あの困難な軍艦島上陸を2回連続、100%の成功率でキメちゃうだなんて!

なーんて感じでわりとSNS系でも自慢しちゃったりなんかしてたのですが、どうも帰ってから調べてみると最近はかなりの確率で上陸できているようで、運航会社によっては平均90%以上の上陸率、なんていう実績もあるらしく、2回連続なんてお茶の子さいさい、って感じなんだそーです。

僕に自慢された方、失礼シマシタ・・・

ブラックダイヤモンド号は高島にも上陸

さて、3回目の軍艦島チャレンジは会社の会議を雲仙で行ったあと、会社の公式イベントとしてやってきたので、自分で船を手配したのではありません。
長崎市から許可を得て軍艦島への公認ツアーを運航している会社はなんと5社もあるようですが、今回会社の事務局が手配したのは「ブラックダイヤモンド号」という船。

ブラックダイヤモンド・・・軍艦島から生まれた黒い宝石、石炭のことですな。

土曜日ということもあり、船は定員めいっぱいのぎゅうぎゅう満席。

過去2回は「やまさ海運」という昔から軍艦島ツアーをやっている老舗の船に乗ったのですが、料金が他よりも高い分、船も大きくてゆったり感がありました。今回の船はリーズナブルな分、ハード面ではちょっと劣るかな。

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しかし結果的に言うと、ガイドを含めたソフト面は素晴らしく、これはこれでよかったのです。まあ何を重視するかによりますね。

この他にも軍艦島コンシェルジュという船(運航会社)があって、ここは平均上陸率が90%超ということで人気。ガイドさんも面白くて総合評価は高いみたいですね。

軍艦島コンシェルジュのレジャー・アクティビティ - じゃらん遊び体験
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さて、船は長崎港を出ると坂の上に長崎の町、海上に三菱の造船所などを見ながら女神大橋をくぐって湾の外へ。

これ、帰りの写真ですが、イメージはこんな感じ

これは軍艦島同様、かつては炭鉱の島として栄えていた伊王島
今はリゾート地として開発されています。

このブラックダイヤモンド号は軍艦島に行く前に、高島に寄港して下車観光するのが特徴。

この高島にもかつて炭鉱があり、石炭資料館というちいさな資料館があるのですが、そこに軍艦島の模型があり、実際に軍艦島に行く前にこの模型を使って概要や見どころを説明してくれるのです。

軍艦島に停泊できる時間は各船それぞれ決まっていて、ここでその時間調整をしつつ、軍艦島にはトイレがないので、トイレタイムも兼ねた停泊なのかもしれません。

いざ、軍艦島上陸へ

高島を出ると、いよいよ軍艦島に接近し、上陸、という流れになりますが、上陸後に見られる範囲が決まっているため、まずは陸上からは見られない場所を海上から遠望します。

このあたりからが、その名の由来となった軍艦(戦艦土佐)らしく見える最もいい角度ということです。

軍艦島というのはもちろん愛称で、正式名称は端島。
長崎市の西約19キロメートルの沖合に浮かぶ、面積6.3ヘクタール、外周約1.2キロメートルの小さな島なのですが、海底炭田の採掘地として栄え、狭い土地にたくさんの労働者(とその家族)が住んでいたために、最盛期には東京ドームの1.3倍ほどの面積に約5200人が暮らし、人口密度はぶっちぎりの世界一だったのだそうです。

まあ、これだけ有名になるともうこれ以上の説明はいらないですよね。

海上から見た軍艦島の小中学校跡。

なんと7階建てで、1~4階までが小学校、5階と7階が中学校、6階が共通の講堂だったようです。
エレベーターもない校舎を7階まであがってたんですね。

高層住宅の向こう側、左の高台の上に端島神社の祠跡が見えますね。

この狭い島内には、病院や学校・寺院・神社・派出所や映画館・理髪店・パチンコ屋までが立ち並び、島の施設だけで完全な都市として機能していたんだそうです。

軍艦島に上陸後は、最初に第1見学広場という場所に案内され、全体の説明を受けます。
島内では参加者は全員で決められた見学ルートに沿って行動することになっていて、勝手に冒険したりすることはできません。

ま、万一船に乗り遅れでもしちゃったら、翌日の船が来るまでここで野宿するしかないんですが、灯りも何もない廃墟に夜ひとり、はさすがに怖いでしょうね。

第2見学広場からの眺め。
灰色の軍艦島の中で珍しく色を感じられるレンガ色の建物が、総合事務所跡。
山の上にあるのは三菱の高級社員の社宅跡だそうです。

これが見学ルート最奥の第3見学広場からの眺め。

正面に見えるのが大正5年建築で日本の鉄筋アパート最長老である30号棟跡ですね。

「第二竪坑桟橋跡」劇場型軍艦島上陸観光の真骨頂

見学コースはどの会社で訪問しても同じですが、ガイドさんの説明はそれぞれ異なるようです。
今回のブラックダイアモンド号のガイドさんはストーリーテラー型で、話の内容はもちろん、ストーリーの構成、展開、そして話し方も非常に巧みでした。

そのクライマックスが、この第二竪坑桟橋跡の話

竪坑とは石炭採掘現場へ行くために垂直に掘られた穴のこと。
つまり炭坑で働く人はこの橋を渡った先から、毎日地下深くへ仕事に出かけたのです。

この炭坑の深さは、閉山間際には地下1000m以上
秒速8mというスピードで地中深くまで運ばれる中、採掘現場に到着する前に早くも体調を崩したり、失神してしまうこともあったそうです。

海底の坑道は気温30℃、湿度95%という劣悪な環境なだけでなく、他にも危険だらけ。昔はメタンガスによる爆発もしょっちゅうのことで、粉塵によるじん肺患者もたくさんいたそうです。

それゆえ桟橋に架かるこの階段は、命の階段と呼ばれていたそうです。
命をかけて毎日この階段を上り、無事に仕事を終えて戻ってきた時に下るこの階段で、今日もまた生きている、ということの大切さを実感できたそうです。

「毎日毎日、命をかけて仕事場に向かうなんて、みなさん想像できますか?」

ガイドさんは私たちにそう問いかけます。

どこよりも賑やかで活気があって楽しい毎日。
子供も大人もみんなが家族のように一つの輪になった生活。
そんな穏やかな中、炭鉱内で事故があると島中にサイレンが鳴り響き、みんな裸足で家を飛び出したのだと言います。
そして島全体が悲しみに包まれる炭鉱葬。

「それでも命の階段を毎日上り、命のカンテラを頭につけて、黒いダイヤの石炭を男たちが命がけで掘っていたのは、命より大切な家族があるからなんですよ・・・」

しーん (&すすり泣き)

ですよ。

いやー、もちろん僕も感動したんですが、それよりも久しぶりにいいプレゼン聞いたなぁ、みたいな感覚。

やっぱり同じことを話すにしてもストーリーの構成、表現、伝え方は大切だな、と。
まあここに書いたのは抜粋でもあり、僕の表現にも変わっているので、実際の感動はうまく伝わらないかもしれませんが、いい勉強になりました。

<2016年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

軍艦島の基本情報

端島(軍艦島)
「端島(軍艦島)」の情報はながさき旅ネットで。長崎港から船で約40分のところに位置する端島(はしま)。小さな海底炭坑の島は、岩礁の周りを埋め立てて造られた人工の島です。岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋コンクリートが立ち並ぶその外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになりました。最盛期の1960年には約...

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イメージ(転用禁止)

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