青森県の十和田といえばだれもが思い浮かべるのは「十和田湖」。
「十和田市」と聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、あの十和田湖よりずっと平野側にあるこの町の中心に、僕が前から行ってみたかった「十和田市現代美術館」があります。
(失礼ながら)こんな田舎の小さな町に、なぜ十和田市現代美術館みたいな尖った美術館があるのか不思議に思っていましたが、行ってみると、十和田市は小さいながらも、なかなかアートな美しい町で、この美術館だけが尖っているわけではないことがわかりました。
十和田湖も奥入瀬渓流も十和田市
十和田市は青森県の南部地方にある人口約6万人の町。青森県では4番目に多い人口がいるそうですが、面積もめちゃめちゃ大きく、県で3番目の大きさなので実は人口密度はスッカスカ(失礼…)。
要は平野部から奥入瀬渓流、十和田湖畔までを含む広大な土地に広がっている大いなる田舎町です。
かつては三沢からこの十和田市まで通っていた十和田観光電鉄という鉄道がありましたが、現在は廃止されてしまったので鉄道駅はありません。新幹線に七戸十和田駅がありますが、所在地は七戸町なんだそうです。
そんなわけで公共交通機関利用の場合は、青森駅か七戸十和田駅、または三沢駅から路線バスで行くことになります。
十和田市現代美術館は、「官庁街通り」と呼ばれる十和田市の目抜き通りにありました。
なんかいきなりカッコいいんですけど!
全く想定外。びっくり。
この美術館の特徴は、個々の展示室を「アートのための家」として敷地内に独立させ、それをガラスの廊下でつなげていることなのだそうです。
目の前に官庁街通りは、戦前、旧陸軍軍馬補充部が設置されていたことから「駒街道」とも呼ばれています。この花で覆われた馬のモニュメントは、十和田市と馬との深いかかわりや、通りを四季折々に彩る花々の存在などを象徴しています。
高さ10メートル、幅20メートルのひときわ目立つ休憩スペースの白い外壁面にかかれた、この巨大な壁画はイギリスを代表するアーティストのひとり、ポール・モリソンの作品。
そして、こっちに描かれている女の子の名前は「みか」。
ウソです。
が、僕の知り合いの、みかちゃんにちょっと似ています。
このちょっと小生意気そうなところ、悪くないですが、本当は奈良美智さんの「夜露死苦ガール2012」
奈良 美智さんってずっと女性だと思ってたんですけど「ならよしとも」と読み、バリバリの男でした。
青森県立美術館にも有名な「あおもり犬」の作品があるのですが、それもそのはず、この方、青森県(弘前)の出身なんですね。
残念ながら館内は撮影禁止でしたが、比較的わかりやすい現代アートが多かった気がします。
瀬戸内国際芸術祭とか、越後妻有大地の芸術祭と同じような感じなので、なんだか慣れ親しんだ安心感がありました。
十和田市は屋外アートも充実
美術館前には公園があって、おなじみ草間彌生さんの水玉ワールドをはじめとする作品が展開されていますが、こっちの方は街なかの公園ですので、無料で誰でも楽しめます。
このかわいいオバケみたいなのはインゲス・イデーの「ゴースト」
エルヴィン・ヴルムの「ファット・カー」。横には「ファット・ハウス」もあります。
美術館前の官庁街通りは、日本の道100選にも選ばれている広くて美しい街道です。
桜のシーズンは下の写真のように素晴らしいのですが、残念ながら少し遅かったようです。
このほかにも十和田市内にはたくさんのストリートファニチャーがあって、まるごとアートな町なわけですよ。
ところどころにアートが点在し、アートでスマートでスイートな僕にはぴったりの町でした(若干馬関連が多かったですが。。。)
夜は十和田バラ焼にチャレンジ
十和田のバラ焼とは、大量のタマネギとバラ肉を醤油ベースの甘辛いタレでからめ、鉄板で水分がなくなるまで炒めて食べる料理。十和田には現在、約80店舗のバラ焼き提供店があるのだそうです。
そしてなんとこの十和田バラ焼き、2014年に行われた「第9回 B―1グランプリ」で「ゴールドグランプリ」(1位)に輝いたそう。僕が食べたのはその半年ほど前のことでしたが、今はもっと人気になっていそうですね。
出発前にWebで十和田を調べてたら、十和田出身の有名スタイリストのおねーさんが、大昌園という店のバラ焼きは絶品、と言っていたので、けっしてそのおねーさんがタイプだったから、という理由ではなくはないのですが、そこに行ってみることにしました。
そして出てきたのがこれ。
価格お手頃、接客最悪、味最高、というローカルの名店によくあるパターンのお店でしたが、まあこんな焼肉屋でリッツ・カールトン並みのホスピタリティなんて端から期待してないので、十分に満足して帰りました。
<2014年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
十和田市現代美術館の基本情報
十和田現代美術館への旅
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