滋賀県の旧豊郷小学校は、近江商人で商社「丸紅」の専務だった古川鉄治郎氏によって寄贈され、建築家ウィリアム・メレル・ウォーリズが手がけた旧校舎が有名です。
その壮麗な鉄筋コンクリート造の校舎は「白亜の殿堂」「東洋一の小学校」と呼ばれ、国の登録有形文化財に登録されています。
と、ここまでなら、まあ、わりとどこにでもある歴史的建造物、という感じなのですが、ここはそこから先の話がすごいのです。
人気アニメ『けいおん!』に登場する架空の高校がこの校舎と酷似していることから、ファンにとってここは「聖地」なのです。
その日はまさかのイベントデー
当時中学生で「けいおん!」ファンだったうちの娘を、いつかここに連れてきてあげよう、と思っていたので、GWの京都旅行のついでに寄ろうと思ったら、それがまさかの大イベントデー。
ふだんの週末も「聖地巡礼」として訪れるファンが多いのですが、年に数回のイベント時は、旧中山道沿いの静かな農村に「痛い」女子高生(ほとんどが女子高生に扮するお兄さん&おじさん)がたーくさん集まる場となりかわってしまうのです。
そしてこの日は、1年で最大級の痛いイベントの日。。。
イタイ人、たぶんいっぱいいるけど、いい?
うん、行ってみたい!
はいはい、わかりましたよ。
そんなわけで近江鉄道に乗って最寄りの豊郷駅に向かいます。
近江八幡駅で列車を待っていると、おやおや。
すごいなー滋賀県警!パトトレインまで持ってんのか!
しかしこのおねーさん、誰だっけ?
調べてみたところ、AKB48の田名部生来ちゃんらしいです。滋賀県近江八幡市出身(やっぱり・・・)。
いやーしかし「あなたのハートをロックオン」はなかろう。。。
いくら滋賀県警のパトトレインだからと言っても、ないわー。
近江八幡から40分弱で豊郷駅に到着します。
この豊郷駅から豊郷小学校に向かう間に、滋賀を代表する観光素材「飛び出し坊や」が「けいおんキャラ」に突然変異したものがたくさんあるのですが、詳しく説明すると長くなるのでそれはまた別の機会に記事にします。
そして聖地、豊郷小学校に到着
そんなこんなで歩くこと15分、いよいよ旧豊郷小学校跡に到着しました。
この日のイベントは「桜高新入生歓迎会!5じかんめ」
まあ簡単に言ってしまうと、アニメ「けいおん」の舞台であり聖地でもある豊郷小学校旧校舎群で年に一回行われる、けいおん!!に関する同人誌の展示即売会を中心とした5回目のイベントです。
朝から行っても大混雑だろう、ということで僕たちは午後から出かけたのですが、それでも校内にはたくさんの人、男、おっさん・・・
実に男子率の高いイベント(推定9割以上)、うち痛系率ほぼ100%(僕を除く)・・・
「ふつーの人は行っちゃいけないイベント」とどこかに書かれてたような気がしたけど、そういうことだったのねん。
しかしうちの娘はそんなこと全然気にせず「同人誌、買いたーい」と言って今にも駆けだしそうな勢いです。
駐車場には「けいおん!」のキャラが勢揃い。
この好きなキャラの前に並んで、入場の順番抽選をやったようです。
あ、なんかいる。
あ、目が合った。。。
あ、手を振ってくれた。。。。。
なんか照れるなあー
(だけど中身は絶対男)
さて、このイベントは同人誌の即売会がメインなんですが、午前中に行われた抽選で時間の指定を受けないと夕方のフリータイムになるまでは入れないので、まずは自由に入れる見学スペースに行ってみます。
校舎の一部を利用して「けいおん!」関係の売店やカフェ、ファンが勝手に持ってきて寄贈していったグッズが飾られている資料館的なスペースがありました。
3階に行くと、「けいおん!」の部室が再現されています。
この楽器類もファンからの持ち込みの寄贈品らしいですよ、痛系ファン、恐るべし。。。
今日はイベントデーだからでしょうか、キャラの実物大スタンドもありました(普段はないみたいです)
「けいおん!」のメンバーたちが放課後にこの部室で行っていたティータイム用のセットも再現されています。
これもファンが作ったものだと思われます。
うーん、だんだんディープな世界に入ってきたような・・・
「おかえりなさい、お兄ちゃん」じゃないのね!
教室の中から校庭にいる参加者を観察してみると・・・
うーん、でも申し訳ないけど、「サリー」という名札付けて大学の学祭でニューハーフバーやって、ホンマモンからスカウト受けた俺の方が似合うと思うぞ。
ま、うしろ姿だけだったら、追いかけて行って声かけたくなっちゃう娘もいるんですけどねー(特に右側)
部室に隣接するステージでは「けいおん!」コピーバンドのライブなんかも行われていました。
この講堂も、アニメに出てくる講堂そのものなんだとか。
このあとアフターイベントとして抽選会とか、フィナーレには「けいおん!」のメンバーが通った桜ヶ丘高校の校歌斉唱とかなんかもあるらしいです、ひぇー。
ウォーリズの名建築、旧豊郷小学校の校舎
すっかり痛いイベントレポートみたいになってしまいましたが、アフターイベントがはじまって人が少なくなったので、僕の本当の目的だった旧豊郷小学校の校舎をじっくり見て回ることにします。
豊郷小学校旧校舎群は、近江商人で「丸紅」の専務だった古川鉄治郎氏によって寄贈され、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計で建てられた美しい校舎。
外観は、当時(1937年)としては珍しい壮麗な鉄筋コンクリート造りで、「白亜の殿堂」「東洋一の小学校」との異名を取ったということですが、確かにカッコいい。しかも戦前の小学校ですからね。
木造の長い廊下も風格ありすぎですね。
そして何といっても特徴的なのが、これ。
階段の手すりにウサギとカメ。わかりますか?
イソップの「兎と亀」をモチーフとしたブロンズ装飾が設置されているのです。クールだなぁ近江商人、古川鉄治郎。
かつて老朽化を理由に、この校舎を取り壊して新校舎に建て替えるという話があったのですが、町民の激しい反対によって取り壊しは回避され、新校舎は隣接した場所に新たに建てられたそうです。
まあ、当然でしょう。
こんなに素晴らしい建物を、安易に壊しちゃいけません。
時計の針は絶対に1937年には戻らないんですから。
雨あがりの校庭では、つつじがきれいに咲いていました。
確かに今日はふつーの人である僕には多少刺激の強い感はありましたが、豊郷、なかなかいいところです。
「けいおん!」ファンならもちろん、ファンでなくても痛系イベントデー以外であれば、おススメですよ。
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