北海道の旭岳は、日本一紅葉が早く訪れる山として知られています。
9月上旬になると早くも山頂から色づき始めて、中旬から下旬にかけてロープウェイ終点から歩ける散策コースが真っ赤に染まり、10月になると麓の旭岳温泉まで降りてくる、というのが旭岳の例年の紅葉の見頃。
ただ、最近は温暖化の影響か、だんだん見頃も遅くなってきているという説もあり、本来はベストシーズンが始まるはずの9月中旬に僕が行ったときも実はそんな感じでした。
男女4人で秘湯の温泉宿へ
とある年の9月12日、旭岳の麓にある旭岳温泉に集まったのは男女7人夏物語、じゃなくって男女4人。
風祭シナリオライティング研究所の定説によると、男女の数は微妙にずれてるほうがドラマは起きやすいのですが、今回は男女人数合っちゃってますね。これだと面白くないんですよ、予定調和的に簡単にペアリングできすぎちゃって。
しかもメンバーは温泉突撃ライターと温泉モデルの女子2人組、ビデオカメラマンの男子1名と僕。
まさかの秘湯混浴温泉の取材旅!
混浴ではないです・・・
そう、この日のホテルは、旭岳温泉の「湧駒荘(ゆこまんそう)」。
皇室御用達、「日本秘湯を守る会」の名旅館ですね。
やばっ!間違えていきなりスキャンダラスな写真アップしちまった!
この日本に恋する伝道師と温泉モデルの密会写真が流出したら、文春砲で「湯駒荘秘湯密会」が今年の流行語大賞になっていたかもしれませんね。
「湧駒荘」は、大雪山国立公園内にあり、5つの源泉がある温泉宿。
秘湯というには規模も大きいし、施設も小ぎれいすぎる感はありますが、毎分300リットル以上湧き出る5本の源泉はすべて自噴泉で、お湯の質は素晴らしく、温泉女子ふたりから、旭岳温泉に行くならここがいい、とリクエストがあったのでした。
当然、この晩、この旭岳の麓の秘湯で温泉突撃レポートが行われちゃったりするかも!ということは想像に難くないでしょうが、カメラマンは別の宿を取ったらしく、そそくさと去っていきました。
おい、カメラマン!秘湯温泉突撃レポートまだ終わってないやん!
そんなわけで、気晴らしに夕食の一コマでもご紹介しましょう。
これはメロンのヴィシソワーズ。
半玉メロンにじゃがいもの冷製スープがたっぷり入っています。
秘湯なのにムダにしゃれおつすぎる!
食後に温泉でデザートたっぷり待ってるかもしれないのに、こんなメロンでお腹いっぱいにならなくていいぞ!
そしてこれは蝦夷鮑の塩釜焼。
いやいやいやいや、アワビはあかんやろ。
これから秘湯温泉突撃レポートがあるかもしれないのに生々しすぎないか?
翌朝。
外に出ると、雲ひとつ身にまとっていない旭岳。
まるで昨夜の秘湯温泉男湯突撃レポートで湯けむりの向こうに見えた、知らないおっさんの立派な仁王立ち姿を思い出させるようなド迫力でした。
旭岳ロープウェイからの絶景
さて、この日はまずは大雪山旭岳ロープウェーで、標高1,100mの旭岳温泉から旭岳五合目、標高1,600mの姿見駅まで登ります。
旭岳の紅葉は日本一早いと言われ、9月上旬に山頂から色づき始め、次第にふもとまで降りてくるのですが、この年は少し遅めだったようで、まだかなり緑が多い状態でした。
このロープウェイから望むナナカマドやダケカンバの赤や黄、緑のコントラストは、絶景だと言われています。
まだ紅葉が本気だしてなくても十分迫力あって凄いけどね。
紅葉に染まってたらどんだけ美しいんだよ、旭岳!
山頂駅である姿見駅からは、旭岳山頂登山はもちろんのこと、初心者でも気軽に歩ける散策コースもあります。
秘湯温泉突撃レポートが目的の僕たちは、超軽装だったのですが、まあ天気もいいことだし、1周約1.7キロ、ハードなコースではないので大丈夫でしょう。
それでも姿見駅を出るといきなりこの景観。
まだちょっと全山紅葉、って感じじゃないけど、十分ですね。
カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)旭岳散策コースへ
姿見駅を出ると、第1展望台に向かって少し坂を登ります。
これが第1展望台あたりからの景観(だったような気がします)。
散策道沿いにいくつかある池のひとつ、摺鉢池。
下の方に旭岳山麓にある忠別湖も見えますね。
これが鏡池。池の向こうに見えるこの美しい山は安足間(あんたろま)岳でしょうか?
ロープウェイからもきれいに見えていました。
少しずつ旭岳の方に近づくと、結構な噴煙が立ち上っているのが見えます。
昨日の秘湯密会のせいで、ファンが暴動を起こして驚天動地がはじまりつつあるわけではありません。
そして旭岳散策コースのハイライト、姿見の池。
この日はほんの少し風があったようで、完全なる鏡面という感じじゃなかったけど、なんだよこの青!
大雪山旭岳はアイヌ語でカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼ばれていたそうですが、まさにそんな感じですね。
チングルマ紅葉の大群落も
姿見の池から先には旭岳山頂への登山ルートがあります。
天気も良かったので、気力も体力も、人には言えないような力も充実に充実を重ねているナイスミドルならこのまま行けちゃうような気もしたんだけど、温泉女子たちは山頂に混浴野天風呂がないと一緒に行ってくれそうもないし、登山装備も必要なので、この先はパス。
北海道最高峰だけあって、頂上はやっぱり厳しい山岳地帯みたいだしね。
旭岳は登山道沿いに数百mも続くチングルマの大群落が有名なんだそうです。
チングルマは高山の雪渓周辺の多湿地に生える高さは10cm程度の高山植物。すでに花は咲き終わって綿毛のような果実の状態になっていますが、真っ赤に紅葉することで人気の植物だと言います。
この旭岳をはじめ、大雪山系では紅葉の主役になることも多く、たしかにこの大群落が本気で紅葉したら、それはそれは素晴らしいことでしょう。
残念ながら思ったほどは紅葉はしてなかったけど、それでも余りある素晴らしい場所だったと思います、旭岳。
そんなわけで、不発に終わった秘湯温泉突撃レポートに代わって、旭岳紅葉レポートの現場からは以上です!
<2019年9月12日訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
旭岳への旅
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