今や札幌を代表するレトロ喫茶として知られている「Cafe ひので」。
創業は1971年、なんと札幌オリンピックの前年で、僕が大学時代に札幌で過ごしていたころからほぼそのままの姿で生き続けている昭和遺産的なお店です。
遠い昔に、何度か来たことがあるような、ないような、そんなおぼろげな記憶しか残っていませんが、ここにやってくると「Hello, Again!」と言いたくなってしまうような懐かしい気持ちになるのです。
札幌のど真ん中、超一等地に今も残るレトロ喫茶「Cafe ひので」
「Cafe ひので」があるのは、札幌の地下鉄大通駅から直結、改札を出て徒歩30秒の場所。
札幌市民なら99.8%の人が知っている、この「日之出ビル」の看板の先にあります。
「日之出ビル」の向かいに建つのはPARCO、三越、そして今は閉店してしまいましたが、札幌のファッションビルの象徴だった「4丁目プラザ(4プラ)」。
そんな札幌の超一等地に威風堂々とそびえる昭和36年開業の「日之出ビル」。すごい!
ビルと同じ名前なので「Cafe ひので」も同じオーナーなのでしょうか。正確にはわかりませんが。
でも札幌の超一等地で、レトロなカフェをずっと続けられている、ということはそういうことなのかもしれませんね。
かつての「高級茶房 ひので」
「Cafe ひので」は日之出ビルの地下一階、地下鉄駅と地上を結ぶ階段の途中にあります。
昔の名前は「高級茶房 ひので」。木材を多用し、開放感と重厚感を両立させる入口の店構えに、昭和の高級茶房の名残がありますね。
ショーウインドウに飾られたサンプルメニューの数々。美しくて高級茶房感溢れてますね。
店内も古き良き昭和の高級茶房の雰囲気をそのまま残していますが、僕にとってここは「どこか懐かしい、昔からある場所」。
大学時代、8m/m映画をつくるサークルに入っていた僕は、この近くにあった「光映堂」というカメラ屋によく来ていたのですが、その帰りに仲間と一緒に何度かこのお店に来て、次につくる映画の話をしていたことがあるような気がします。
その頃は、特に昭和レトロ喫茶に興味があるはずもなく(というか昭和時代そのものでした)、このお店の素晴らしさなんか少しも気に留めていなかったので記憶もおぼろげなのですが、今、こうしてこの席に座ってみると、やはりどこか懐かしさを感じるのです。
店内燻るタバコの煙。新聞を読むおじさん。たわいのない話でときどき笑い声をあげる若者たち。遅いモーニングか、早めのランチを黙々と食べながら本を読んでいる女の子。
そう僕にとっても、ここは「昔からある店」なのです。
「Cafe ひので」のレトロ喫茶王道メニュー
「Cafe ひので」には昭和レトロ喫茶らしくモーニングサービスも充実しています。
最もベーシックなトーストセットは700円。
バターといちごジャムがたっぷりとぬられた分厚いトーストにゆで卵、ハム、ポテトサラダと付け合わせのバナナ、そして深煎りのコーヒー。
めっちゃ王道ですね。
場所のプレミアム感を差し引いても十分に満足感のある、毎日でも食べたいモーニングセットです。
昔ながらの喫茶店らしく、フードメニューも充実しています。
人気メニューは、昔からずっと変わらない味の「ミートソーススパゲッティ」ですが、牛丼とか、北海道らしく鮭定食があるのもユニークです。
町の定食屋さんメニューで出てきそうな牛丼。
手作り感あふれるオムライス。
ザ・喫茶店のハンバークランチ。
全席禁煙で、明るくて開放的なカフェでは絶対に出てこないメニューですね。どんだけここでランチ食ってるんだって話ありますが、
もちろん午後のアイドルタイムにぴったりのスイーツメニューもバラエティ豊かです。
王道のレトロ喫茶だなんて聞くと、一部の常連とレトロ喫茶マニアくらいしか来ないんじゃないか、と思われがちですが、このお店はいつ行ってもたいてい賑わっています。
もちろん地下鉄大通駅直結という立地や、今や数少ない喫煙できる喫茶店という理由もあるのかもしれませんが、50年という長い歴史の過程で「むかし家族でスパゲッティと食べた」とか「デートで待ち合わせた」とか、多くの札幌市民にとってここは「Hello, Again 〜昔からある店」だからなのかもしれませんね。
番外編 「ひのでそば」にもぜひ!
札幌市民なら、この光景もよくご存知なんじゃないでしょうか?
日之出ビルの地下入口にある「ひのでそば」に並ぶ行列。
そう「Cafe ひので」のすぐ下には、なんと「ひので」という名の立ち食いそば店があります。
こちらも「Cafe ひので」同様、50年前から続く札幌の老舗。常に誰かがそばをすすっている人気店で、最近はインバウンドの旅行者なんかも来るので、大行列になっていることも多いのです。
でも「安い、早い、うまい」の3拍子がそろっている札幌で最も人気のある立ち食いそば店、という噂だけあって、手際よくどんどん回転するので、意外と待たないという説もあります。
そばを通るといつも出汁のいい香りが漂っていて、思わず立ち寄っちゃうってやつですね。
かけそば320円、人気の天ぷらそばでも420円とお値段も良心的。ここでそばをすすってから「Cafe ひので」に行くのもおススメですよ。
まあランチが食べられなくなっちゃうのでデザートかドリンクだけになっちゃいますが。
「Cafeひので」への旅
「Cafeひので」の基本情報
※禁煙席はありますが、基本喫煙者が多いお店ですので、気になる方はご注意ください。
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