いわゆるワンダースポットマニア、特に大仏というか珍仏マニアに絶大な人気を誇る石仏群が宮崎にあるといわれています。
それは高鍋町にある通称「高鍋大師」。
僕も仙台大観音とか青森のりんご観音とかちょっぴり妖艶な女性の仏様は好きだったりするのですが、ここはどうやらそうではないみたい。どちらかというとガチガチでカクカクな男性的な仏様のようなのでイマイチ乗り気じゃなかったのですが・・・
駅から遠いぞ、高鍋大師!
高鍋大師があるのは宮崎県の高鍋町。宮崎駅から特急で20分ほどの高鍋駅が最寄りなので比較的便利な場所にあるはずでした。
ん?
なんかいきなり廃墟感漂ってるんですけど!
駅を降りてホームから駅舎へ向かう跨線橋を渡ると、植物のサバイバル感がスゴい。
確かに古いホームを廃止して、線路を撤去しちゃう駅も最近多いけど、ちょっと自然派すぎないか、高鍋駅?
駅に着いて今回の目的地「高鍋大師」の場所を調べると、Google先生曰く、駅から4.8キロ。まあまあ遠い。
バスはなさそうだけど観光協会にレンタサイクルがあるらしいので、それで行こうかと思っていたら、観光協会まで駅から3キロもありやがった。
そんなわけでタクシーで行くしかないですね。
車を降りると、すでに駐車場のあたりからワンダーな香りがプンプンしてきたぞ!
わりとキュートですね。
わりと赤いですね。
んー、噂にたがわず実に香ばしい!
そもそも高鍋大師とは
高鍋大師と呼ばれるこの一連の石像群を作ったのは岩岡保吉さん。
もともと町内で米穀店を営んでいた岩岡さんが、すぐ近くにある持田古墳群の盗掘に心を痛め、その霊を慰めるために造り始めたのがこの石像群。
岩岡さんは古墳群近くの土地を購入して整地すると、大分県から石工仏師を招聘して彫刻技術を自ら習得し、最終的には生涯で700体以上の石像を刻んだのだそうです。
敷地内に並ぶ大小さまざまな石仏は「カオス」という言葉がピッタリ。
その中でも最大級の大きさで、最も有名なのがこの十一めんくわんのん(十一面観音)。
この笑顔と白い歯にノックアウトされちゃう石仏女子も多いみたいです。
なんとこの石仏、高鍋町のゆるキャラ「たか鍋大使くん」のモデルになっています。
一般的にこうしたワンダースポットは、県や市町村といった公の組織からはスルーされていることが多いのですが、この高鍋大師は宮崎県から観光遺産として認定され、高鍋町のゆるキャラになるなど、地元での愛され感がスゴイのです。
入場料を取っているわけでもなく、声高に宗教的な主張をしているわけでもない。子どもたちに見せられないような性的なシンボルがあるわけでもない。
見ていると自然にほっこりしてしまうような、この石仏たちの何とも言えないユルさがそうさせているのかもしれません。
これも石仏群の中の最大級の作品で「明治百年 むえん こ中 まもれ 昭和四十三年 岩岡弘覚 五月五日 八十才のさく」と書いてあります。
なんとこれ、岩岡さん80歳の時の作品!
ここにある多くの石仏は岩岡さんが70歳以降に制作した作品で、その活動は岩岡さんが87歳で亡くなる直前まで続けられていたそうです。
僕のお気に入りの石仏
敷地内には稲荷っぽい鳥居と赤い社らしきものがありました。
中に入ると「けもの一サひ(「獣一切」らしいです)」と書いてあり、お稲荷さんのような狐が並んでいました。
大きな石仏だけでなく、味わいのある小さな石仏もたくさんありました。
僕のお気に入りはこれ。名前はわかりませんが。
これは「正一いいない大神」。
名前の意味がわかりませんが、どうやら「正一位稲荷大神」のことらしいです。正一位って感じの威厳ないけど(笑)
その大神の側女がここで唯一エロスを感じる石仏。かなりバストアップしてます。
高鍋大師があるのは日向灘を見下ろす高台。
その一番眺めの良い場所に、どこかで見たよな御一行様がありました。
作品は「みとこモん」。ご存知、水戸黄門と助さん格さんですね。となりの亀がよくわかりませんが、ご老公、とてもいい表情しています。
これは岩岡さんが86歳、最晩年の時の作品だそうです。きっと穏やかに人生の終焉を迎えたんでしょうね。
こうした中小の石仏群の雰囲気をまとめてみました。
衝撃のチキンカツ「チャンポンハウスたつや」
高鍋に行くことを、とある九州在住のファンクラブ女子に話したら
「チャンポンハウスたつや」ってお店に行ってみたらいいわよ
と言われました。
「じゃあうちに遊びに来て」と言われることを34パーセントくらい期待してた僕は、ちょっとがっかりしたんですが、彼女は以前にも長崎の「薄すぎるビル」とかいいネタを仕込んでくれる女子だったので、迷わず行ってみることにしました。
降り立ったのは高鍋の隣の駅の「日向新富駅」。
目的の「チャンポンハウスたつや」は駅から徒歩で10分くらいのところにありました。
チャンポンハウスって名前のわりには「カツサンド」押しだぞ!とか思いながら入店しようとすると・・・
本日、まさかの営業終了!!!
えー、マジかよ!わざわざこのために1時間に1本しかない列車を途中下車したのに!と思って途方に暮れていると、どうやら電話で申し込むと受け取れるらしいメモを発見。
ビギナーなのでとりあえず定番と聞いていた「カツサンド」を店の前から携帯電話で頼むと、まさにお店の中から「はいすぐできますよー」という返答が聞こえてきました。
やってるんかよ!
どうやら店内でのイートインは終了ということのようで、持ち帰りは普通にできるようでした。
そんなわけで受け取ったのが、どーん!
アルミホイルにくるまれて、無造作にビニール袋に入れられた塊、2個。
店内では食べられなかったのでいったん駅まで戻り、駅の待合室で開けてみると、チキンのカツサンドが2つ入ってました。
何かいろいろおかしいところがあるのにお気づきでしょうか?
①に関しては通常だと2個(400円)、ハーフだと1個(250円)なんだそうです。
これ2個で400円は安すぎやしないか?
②に関しては「パンが小さいのではなくで、カツがデカすぎる」のです。
あっさりしてておいしいので、意外とすんなり食べられましたが、さすがに2個はムリ。
チャンポンハウスたつやに行ったよー
えー、どうだった?
ひとりじゃ食べられないから、これ持って家まで遊びに来てっていう意味だったのかな?
うーんそれはないです、ごめんなさい
結局駅では1個しか食べられずに、ホテルに戻って夕食としてもう一個食べました。
2食で400円。やるやないか、チャンポンハウスたつや!
<2021年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
高鍋大師への旅
僕の尊敬する日本一テキトーなトラベルエッセイストの宮田珠己さんの本にも出てますよ!
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