今や北海道の流氷観光では最もメジャーになった感のある紋別の 流氷砕氷船「ガリンコ号」。
大学時代を北海道で過ごした僕は、なぜか突然血迷って夜行列車に飛び乗り、紋別まで流氷を見に行ったことがあるのですが、その頃はまだガリンコ号の就航前。
そんなわけで30年ぶりの紋別と初めてのガリンコ号に挑戦してみたのでした。
夜行列車で流氷を見に行った理由
大学時代のとある冬、サークルの仲間4人で急に思い立って、その日の夜行列車に乗り、紋別まで流氷を見に行ったことがありました。
素晴らしいじゃないか、大学時代の俺たち!
突発的夜行列車の旅、しかも目的はオホーツクの流氷!
きっとまだ見ぬ世界に目を輝かせ、希望に満ちた未来への血となり肉となるための人生経験を日々重ねていた頃だったんだろうな。
流氷を見に行くことになった理由なんかすっかり忘れていた僕は、今までずっとそう思いこんでいたのですが、今回紋別に行った話をFacebookにアップしたら、その時一緒にいたパイセンからコメントが来ました。
はっ?パイセン、なんか勘違いしてませんか?
僕たちはあの北大のポプラのように、まっすぐに天に向かうような気高き希望を胸に、まだ見ぬ世界を探索に行ったのではなかったのですか?
ビックシューターって、パイセン・・・ありましたね!
ということで、僕たちが突発的に夜行列車に乗って流氷を見に行った理由は以上です。
だけど一言だけ言わせてもらっていいですか、パイセン。
あなたそんなんだから大学に7年もいたんだよ!俺も5年いたけど。
※パイセンは現在アメリカで(何をやってるかわかりませんが)たぶん立派に過ごしています
もんべつ流氷まつり
当時僕たちが乗った夜行列車は、札幌から網走まで走っていた急行「大雪」
石北本線の遠軽に3:46着、ここから今はなき名寄本線に乗り換えたのでした。
名寄本線はすでに廃止され、今はもう紋別へ列車で行くことはできないのですが、その代替として遠軽からのバス路線が残されています。
遠軽でバスに乗り換えるまで1時間ほど時間があったので、町内を少し散歩してみます。
確か当時も帰りの乗り換え待ち時間に遠軽のまちを歩いたことを覚えています。
駅前の坂道の途中にパチンコ屋があって、そこでもみんなでパチンコしたような記憶があるのですが、30年ぶりに遠軽に降り立ってみると、駅前に坂道なんかありませんでした。
やっぱり僕はパチンコなんかやってなくて、清く正しく美しい大学生活を送っていたに違いない。大学に人より長くいたのも勉強熱心だったからに違いない、たぶん。
そんなわけで足元で粉雪が鳴くキュッキュッという音を聴きながら雪晴れの遠軽を歩きます。
冬の北海道はこんな時間がとてもいいのです。
遠軽から1時間とちょっと、紋別の「オホーツクタワー入口」でバス降り、ガリンコ号ターミナルのある海洋交流館まで歩いて行くと、敷地内が異様に賑っています。
なんと、この日は「もんべつ流氷まつり」でもあったのです。
流氷まつりは札幌の雪まつりのような規模の大きいものではありませんが、天然の氷を使ったメインの氷像と市民の手作りっぽい氷のアートが並んでいました。
今年のメイン大氷像は火事で焼失してしまった首里城。
なかなか立派な雪像だったのですが、それより僕が気になったのは、この日のステージショーをつとめていた田中アキラさんという演歌歌手。
晴れてたけど、たぶん日中でもマイナス10度くらいの中、こんな衣装で頑張ってましたよ!
いよいよガリンコ号初挑戦!
そしていよいよガリンコ号の乗船時間になります。
ガリンコ号は全便完全予約制で、普段の流氷最盛期はかなり混み合うのですが、今年はコロナウイルスの影響で中国人観光客が少ないため、流氷まつりの時期でもなんとか予約が取れたのでした。
現在のガリンコ号は2代目で定員も195名と結構多いのですが、それでも乗ってみると満席。
紋別港を出航するとさっそく多くの人が屋上に出て、船の上から流氷を眺めます。
今年は暖冬で流氷もなかなか姿を見せず、紋別の流氷初日(遠く視界に確認できた日)は史上5番目に遅く、2月4日。
通常は流氷が港近くにくるまでしばらく時間がかかるので、今回のガリンコ号で流氷に会えるか微妙だな、と思っていたのですが、直前に寒波の到来もあったため、2月8日にあっという間に接岸。
そして僕の紋別到着が2月9日。 しかもめっちゃいい天気。
これってわりと神ってないですか?
だってこれだぜ?
先に動画を見せちゃうと、もう余計な説明はいらないような気もするのですが、このガリンコ号は紋別港を起点に1時間ほどオホーツクの流氷を破砕しながら遊覧する観光船。
流氷の中でも航海できるのは、このアルキメディアン・スクリューで厚さ40cmの氷を砕きながら進むことができるから(厚さ40cm以上の場合は迂回したりするそうです)
この流氷の向こうに紋別の町並みが広がるシーンもよかったな。
それでもここ10年20年はオホーツク海全体の流氷も少なくなり、以前ほど迫力のある流氷も少なくなっているようです。
僕たちが大学時代に紋別に来たときは、もちろんまだガリンコ号も就航前だったので、おそらく震えながら早朝の紋別港から眺めただけだったと思うのですが、もっと迫力があったのかな?
もう忘れちゃったけど。
紋別・北の酒場通り
夕方、バスで紋別市内に行ってみると、ここに坂道がありました。
たぶん朝早く着きすぎて、流氷見終わっても他に何もやることがなくって、きっとここでパチンコしたんでしょうね。
今はもう、あの坂道にもパチンコ屋さんは残ってなかったので、遠軽行きのバスの時間まで町をブラブラと散策してみると、意外と賑やかな繁華街を発見しました。
北の酒場通りには、長い髪の女が似合う。
ちょっとお人好しで、口説かれ上手な港の女が、きっとどこかの店で僕を待ってるに違いない。
そう思ってスナック「ガリンコ」にでも入ってみようかと思いましたが、そこで待っているのは口説かれ上手な女というよりも、僕が口説かれ粉砕されてしまいそうな女のような気がしたので、今回はやめておきました。
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