稚内の宗谷丘陵にある「白い道」。
最果ての地、稚内らしからぬ青い空と白い道がどこまでも続くその風景が、最近フォトジェニックなスポットとして拡散されていたのは僕も知っていました。
ただし、それはスカッと晴れていないと成立しない構図なので、予定を立てていてもうまく見られないことも多いのですが、たまたま絶好の「白い道」日和に稚内に降り立った機会があったので、急遽行ってみたお話です。
絶好の「白い道」日和
利尻島を訪れた帰り、稚内に到着すると、この日は最果ての北の町とは思えないほどのまばゆいばかりの晴天。
本当はお昼の特急で札幌に向かおうと思ったのですが、なんだかあまりにももったいない気がして、急遽レンタカーを借りて4時間の稚内の小旅行に出かけることにしました。
まず向かったのは宗谷岬。
宗谷岬?
なんでまた21世紀によみがえった車寅次郎、風祭さまがいまさら宗谷岬なんてベタなコースをチョイスしてはるんですか?
とお嘆きのファンの方も多いかと思いますが、
実は宗谷岬、行ったことないんです・・・
衝撃の事実!
稚内には3年連続10回目、甲子園でいうと今をときめく大阪桐蔭高校くらいのレベルで訪れているのですが、なんと宗谷岬は未踏の地だったんです。
学生時代はお金がないので宗谷岬まで行くバス代がもったいなくて近くのノシャップ岬でごまかしちゃったとか、行こうと思ってたら岬は暴風雨っぽいぞ、とかいろいろ理由はあるのですが、まあ結論としては宗谷岬はいい年して初体験なわけです。
そんなわけで稚内市街を抜けてさらに北に向かって進んでいると遠く宗谷丘陵に大風車群が。
あ、そーいえば宗谷丘陵にはすんごいところがあったんだ。
と思いだして宗谷岬の手前で宗谷丘陵に向かう坂道へとハンドルを切ります。
こーんな感じの坂を上って、途中の駐車スペースに車を停めて外に出てみると・・・
宮古島ですか?
どこでもドアかなんか使って、日本の北の端からいきなり南の端にワープしちゃったかのと思ったよ。
宗谷の「白い道」は「白い貝殻」の道
ここは通称「宗谷の白い道」。
宗谷岬手前の海岸の集落から宗谷丘陵の上に向かう坂道なのですが、何もない原生林の中を、空に向かって一本の真白な道が続くフォトジェニックな構図でブレイクした場所。
実はこの道が白いのは、貝殻を敷き詰めてあるからなのです。
宗谷で採れるホタテの貝殻は以前は産業廃棄物として捨てられていたのですが、この宗谷丘陵のフットパス(散策のための小径)をもっと魅力的に、という理由でホタテの貝殻を砕いたものをこの道に撒いたことから人気が沸騰したのだそうです。
いつもどんより曇ってて、強い風が吹き付けている、みたいな宗谷岬のイメージとは180度違うギャップがまたいいんでしょうね。
でもよく見るとエゾ鹿とかいるので、やっぱり北海道なんですけどね。
この「宗谷の白い道(白い貝殻の道ともいわれています)」、実はこの先がすごかった。
よく写真で見るのはさっきのまっすぐな一本道が多いのですが、その道をズンズン登っていくと(車でも行けますが途中すれ違いは結構厳しいので歩くほうがおススメ)、やがて右に緩やかにカーブします。
そして、ドーン!
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
なんですか、この天国に続くみたいな道は!
宗谷の白い道は総延長3km。
緩やかな坂道がその先にもずっと続いています。
南側の丘陵の上には風車群。
北側に見えるのは宗谷岬牧場でしょうか。
丘の頂上付近から振り返るとこの景観。
ここは、スゴかった。
想像を100倍くらい超える感動でした。
そして初!宗谷岬
さて、そしていよいよ宗谷岬。
北緯45度31分22秒、これが日本最北端の地の碑ですね。
晴れてますなー。
風もほとんどありませんなー。
林蔵(間宮)が遠くサハリンを見渡してますなー。
宗谷岬がこんなに穏やかでいいんだろうか、というくらいの天気です。
この先43km先のところにサハリンがあるはずなんですが、この日は肉眼では島影は見えませんでした。
しかしあまりにも天気がよくて、ぜんぜん最果て感はありません。
岬の裏に高台があったので登ってみます。
これは祈りの塔。
昭和60年9月に起きた大韓航空機事件の墜落現場がこの稚内にほど近い場所だったため、その遭難者の慰霊と世界平和を願い建立されたもので、鶴が羽を広げている形なんだそうです。
その前の「宗谷の白い道」があまりにもインパクトあったので、宗谷岬?ふーん、そっかーくらいな感じの印象でしたが、一応これでようやく日本の北端を制覇したことになりました。
<2019年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
宗谷の白い道の基本情報
宗谷の白い道/宗谷岬への旅
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