「ウポポイ」。
この不思議な語感のアイヌ民族文化施設の名前がアイヌ語で「(大勢で)歌うこと」という意味だと知ったとき、僕はなぜだかここにすごく行ってみたくなりました。
大学時代を北海道で過ごし、その後も毎年北海道を訪れ、倶知安(くっちゃん)だの長万部(おしゃまんべ)だの音威子府(おといねっぷ)だの、アイヌ語の地名に接していながら、僕はアイヌのことなんて何も知らなかったのですが、この「ウポポイ」という言葉の響きを聞いたとき、そこなら単に歴史資料を静的に見るだけではなく、アイヌの文化を動的に体感できる気がしたのです。
そしてそこは実際その通りの場所でした。
ウポポイ女子とウポポイへ
ウポポイ(民族共生象徴空間)が北海道の白老町にオープンしたのは2020年の7月12日。
当初は2020年4月24日オープンの予定が、新型コロナウィルスの影響により開業延期を余儀なくされたのですが、僕がその年北海道に行った9月にはなんとか開業が間に合ったのでした。
ちょうど僕と同時期に北海道に旅行に来る予定だった女の子にウポポイに行く話をすると「ウポポイウポポイ!私もウポポイ行きたい!」と極めてウポポイ女子的な反応が返ってきたので、ふたりでウポポイに行ってアイヌの人たちと大勢で歌おう、ということになったのでした。
ウポポイの最寄り駅、白老駅はJR新千歳空港駅から南千歳で乗り換えて特急で30分。
ウポポイ女子が千歳空港に到着するのを持って白老に移動したので、到着してから閉園までの時間は2時間ちょっと、広い敷地に見どころも多そうなので、滞在時間2時間だとやや短いかなあ。
ちなみにウポポイへの入場は予約制で、さらに国立アイヌ民族博物館は時間指定の予約を取らないと入れません。
カンカンと呼ばれる回廊を抜け、いよいよウポポイへの入場となります。
いきなりウポポイ(大勢でうたう)
入場すると、舞浜のねずみの国のような館内のイベントタイムテーブルがありました。
げ、結構いっぱいプログラムがある&遅い時間はほとんどやってない!
ということでこれからウポポイに行かれるみなさまにお伝えします。
ウポポイはサイトでこのタイムテーブル調べて、ちゃんと計画立ててから行けよー!
完全に出遅れた感のある僕たちは、とりあえずやっているものに片っ端から行くしかありません。
まずは一番楽しみにしていたウポポイ(大勢で唄う)の様子を見るため、16時から始まる最終の屋外ステージへと急ぎます。
屋外ステージが設置してあるポロト湖畔に近づくと、遠くからウポポイが聞こえました。
これだよ、これ!
僕が見たかったのは、、まさにこうしたアイヌの唄や踊り。
でも一緒に唄うなんて全く無理でした。
アイヌの文化は同じ日本にありながら僕たちの文化よりずっとストレートに呪術的で、カムイ(神)への深い信仰なくしてこんな歌や踊りをまねすることはできないような気がしました。
このポロト湖畔には、かつて「ポロトコタン(アイヌ語で大きな湖の集落)」というウポポイの前身となるアイヌ民族の文化を紹介する施設がありました。
湖畔には「チセ」と呼ばれるアイヌの家屋が並び、なんだか海外のリゾートコテージのようにも見えます。
なんかここに超高級なリゾートホテルみたいなのを作って、チセ風のコテージを1棟貸しとかしたらよさそうじゃない?
えー、行きたいです!
アイヌのお洋服とか着て、チセに泊まって生活してみたいですー
(…さすが俺、目のつけどころが違うなー)
だよねー!星野リゾートとかがやればいいのに。
もう風祭さんが作っちゃってください!
私も一緒にアイヌの恰好したいですー!
しょーがないなー
じゃあ「風祭リゾートウポポイ」とか作ってみるか・・・
と言った1か月後、こんな記事を発見しました。
さすが星野、一歩遅かったぜ…
ここは知床か!ドーム型スクリーン映像「カムイアイズ」
屋外ステージが終わり、アイヌ家屋「チセ」の中を少し見学したあとは体験学習ホールで行われる伝統芸能上映を見ようと思ったのですが、上映スタートにわずかに間に合わず入場できなかったため、代わりにドーム型スクリーン映像「カムイアイズ」を見に行くことにします。
ドーム型スクリーン映像って、プラネタリウムみたいに大きな会場だと思ってたけど、ここは1人用のドーム映像なのね…
時間になると部屋全体が暗くなって映像がスタートするのですが、その内容はアイヌの文化でカムイ(神)とされている動物達の視点で、ひたすら北海道の大自然の中を駆け抜ける映像。
あれ?僕たちは今、知床ビジターセンターとかにいるんだっけ?という感じで、ウポポイ感はあんまりありませんでした。
まあ映像はきれいだったけどね。
体験交流ホールの催しはウポポイのメインイベントのひとつだけど途中入場できないので、遅れちゃだめだぞ!
国立アイヌ民族博物館へ
そして最終17時からの予約をしていた国立アイヌ民族博物館へ。
ここはアイヌの歴史や文化等をテーマに展示や調査研究を行う博物館で、ウポポイの中核施設。
この中にもシアタープログラムがあったんだけど、それもわずかに間に合わず、この日はすっかり後手後手。
せっかく楽しみにやってきたウポポイ女子に悪いことしちゃったな。
国立博物館だけあってさすがに中は立派で、みどころも多かったのですが、僕が特にいいと思ったのはやっぱりアイヌの人々のウポポイ(大勢で唄うこと)の映像。
白老とか阿寒湖とか二風谷以外にも、道内のこんなにいろんな場所でアイヌの文化が残っていたなんて恥ずかしながら知りませんでした。
まだまだアイヌ文化への理解なんか全然足りないけど、僕たちのすぐ近くに今もそれが残されている、とわかっただけでもここに来た意味はあったのかな、と思いました。
ウポポイはしっかり見ようと思ったら2時間では時間が足りないし、今回は僕の事前の計画も甘くて、あまりうまく回れませんでした。
せっかく楽しみにしてたのにうまく回れなくてゴメン・・・
いいのよ、気にしないで。
風祭リゾートができたら、またもう一回案内してね。
風祭リゾートも自信なかったので、とりあえず帰りにウポポイ女子を白老のジンギスカンのおいしいお店に案内しました。
でももう一度、今度はもっとゆっくり行ってみたいと思います。
風祭リゾート、もとい、星野リゾートができたらかな。
<2020年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
ウポポイの基本情報
ウポポイへの旅
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