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日本で一番天に近い島?「天売島」を一周してみた【北海道】

「天を売る島」と書いて「てうりとう」

北海道の北のほうに、規格外の瓜のような形でポツンと浮かぶその島の名前は「天売島」

きっとそこはその名のとおり、どの街に行くよりも天に行くほうが近いんじゃないか、と想像していたのですが、本当にそんな島だった、というお話です。

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世界的海鳥繁殖地、天売島

天売島は北海道の北部、羽幌町から30km沖合の日本海に浮かぶ小さな島。

©天売島 | 羽幌町観光協会 天売島・焼尻島 観光サイト 島時間 (teuri-yagishiri.jp) 転用禁止

羽幌から焼尻島を経由して天売島までフェリー(繁忙期は高速船も)が出ているので、僕は羽幌で1泊し、焼尻島を半日観光してから天売に渡りましたが、東京からだと通常は1日ではたどり着けない、日本で一番遠い場所のひとつかもしれません。

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船の上からみると長い瓜みたいな島が見えてくると、それが天売島。

フェリーターミナルに着くと「世界的海鳥繁殖地」と書かれた看板が出迎えてくれます。

そう、この天売島は250人の人間に対し、繁殖期には100万羽もの海鳥が暮らす、奇跡の島と言われているのです。

日本一小さな高校「北海道天売高等学校」

天売島は島内を一周しても12キロほどなので、その気になれば徒歩や自転車でもめぐることができますが、かなりアップダウンがあるのでレンタルバイクを借りるのがおすすめです(ただし夏でも寒いので防寒具がないと死にます)。

レンタルバイク(原チャリ)は港の目の前にある「おろろん」で借りることができます。

港から時計回りに一周を開始すると海に沿った高台に小さな天売の中心市街地が現れます。

北海道の北部地域でよくみかけるカラフルな町並み。なんとなくサハリンの雰囲気ありますね(行ったことないけど!)

パブハウス「B・PORT」

パブハウスなんて書いてあるし、なんとなく開放感がないので天売島唯一のムフフスポットかと思ったのですが、通年ランチ営業をしている島民の憩いの場なんだそうです。

バイクで走りながら見かけて、思わずUターンしたのがこの看板。

ん?天売高等学校??

まさかこの人口250人の小さな島に高校があるなんて思ってもいなかったのです。

これ、小学校の島の分校ではありません。高等学校なのです。

この天売高校は「天の島で働きながら学ぶことができる」羽幌町立の夜間定時制高校。

「天高」の学章かっこいい

全校生徒は2024年度で15人(新入生が7人も入ったみたい、すごい!)、日本一小さな高校ですが、一人ひとりが主役になれる、島にとって誇りと希望の存在なんでしょうね。

頑張っていつもまでも残ってほしいです。

北海道天売高等学校
定時制普通科である北海道天売高等学校のWebページ北海道でもっとも小規模な高校をぜひご覧ください。

天売高校の少し先にあったのが、天売小学校・天売中学校。こちらは新しくて大きな校舎ですね。

子どもたちに信号の使い方を教えるために、島唯一の信号がありました。

その先しばらく続く住宅地が終わると、やがて天売島は人間の世界から海鳥の世界へと変わります。

分け入っても分け入っても海の鳥

道幅が狭くなり、左手に海が見えるようになってくると道路一面に鳥、そしてその膨大な落とし物。

鳥さん、ちょっと道開けてもらっていいかな、と聞いてみたものの、がぜん無視。

しかたなく強攻突破します。

もし僕が山頭火なら

分け入っても分け入っても海

と詠むことでしょう。

ここは黒崎海岸と呼ばれるあたりで、ウミネコの繁殖地。

めっちゃ飛んでる!

八戸の蕪島もウミネコで有名だけど、ちょっとスケール違います。

天売島一周道はそのまま上り坂になって、やがて島の西端、赤岩展望台に到着します。

ここは初夏の夕方から夜にかけて世界一の「ウトウの帰巣」が見られる場所として有名です(僕も再度その日の夜に訪れたので別記事で紹介します)。

展望台からは垂直に切り立った天売島のシンボル「赤岩」を見下ろすことができます。

天売島は瓜みたいにのっぺりしているイメージがありましたが、島の西部から東部にかけては100m級の厳しい断崖が続いていて、地上からの外敵がいないため、そこが海鳥の繁殖地となっているのです。

赤岩からは緩やかな傾斜を登りながら東に進むと「千鳥ヶ浦園地」の看板があります。

僕と旅した「おろろん」ちゃん

ここから海のほうへ下る小径を行くと海鳥観察舎がありました。

ここは文字通り海鳥繁殖地の真ん中にある展望施設で、無料の望遠鏡で断崖の岩棚の巣で育つウミウのヒナや、岬の草地で繁殖するオオセグロカモメなどが観察できます。ぜんぜんわからなかったけど!

天売島北部の観音岬展望台からは晴れていれば利尻富士が見えるということでしたが、この日は見えず。その代わり隣の焼尻島が見えました。

その先は、ひたすら下ると島一周が終わり、出発点のフェリーターミナルに戻りました。

7月の海の日の3連休だったので、きっと繁忙期にあたるのだと思いますが、それでもパラパラと観光客に会うくらいで、(鳥以外)誰もいない島の一本道を原チャリで疾走していると、たしかにここは少しだけ天に近いのかな、という感じはしました。

街には遠いけれど、天には近い。いいコピーですね。

天売島をめぐっていて、かつて北海道の最北部の原野を走っていた国鉄「天北線」という素晴らしい名前のローカル線を思い出しました。

北に行けば行くほど、そして何もなければないほど天に近い、ということであれば、確かにここは「日本で一番天に近い島」なのかもしれませんね。

<2023年7月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

天売島の基本情報

天売島観光サイト「天売島.jp」
100万羽の海鳥と250人が暮らす“小さな地球”天売島。島の魅力を発信する天売島のポータルサイトです。
天売島 | 羽幌町観光協会 天売島・焼尻島 観光サイト 島時間

 

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